2004年09月18日
山口市議会、一般質問に11人登壇

現在開会中の第5回山口市議会定例会は、14日と15日の2日間、一般質問を行った。台風18号被害への対応を優先して1日短縮されたが、議員11人が登壇。県央部1市4町の合併問題や山口情報芸術センターの被災状況と今後の対応、中間処理施設建設計画についてなど、様々な内容の質問を繰り広げ、執行部の考えを質した。
11人の先陣を切って登壇した藤村和男議員(民主クラブ)は、県央部1市4町による合併について、「人口30万人の中核都市実現へのステップとして、まず、山口市と吉敷郡の1市3町、防府市と徳地町の1市1町がそれぞれ合併し、この二つが連携したまちづくりを行うことで、将来の相乗効果を狙うはずだった」とした上で、1市4町の枠組みは、その考え方に反するのではないかと指摘した。
これに対し、合志栄一市長は「2市4町での合併を目指す場合、山口市と周辺の町という意味では、1市3町も1市4町も同じ。中核都市実現は市民の共通の願いであり、理解を得られると考える」と答えた。
また、新市の事務所の位置について「藩庁が萩から山口に移って以来、県庁のおひざ元として発展してきた山口市北部への配慮なしに、市役所を移転して良いのか」という質問に対して合志市長は「本庁の位置が原因で協議休止に追い込まれた2市4町での経緯から、合併を実現することの方が優先と考えるのが市民の意見」と回答。「本庁は管理機能と交流機能が中心で、本庁が移転しても総合支所は残る。現在の機能集積は維持されるし、『にぎわいのある都市核形成』などのテーマは引き継がれる」と述べ、広い視野に立ったまちづくりの重要性を訴えた。
重見秀和議員(山口未来クラブ)は、台風18号によって被害を受けた山口情報芸術センターの被害状況や今後の対応などについて質問した。
施設面では、屋根全体の約半分に当たる2500平方メートルの仕上げ材(鋼板)がはがれ落ち、断熱材が飛散。数カ所の雨漏りやガラスの破損などが確認されており、被害総額は約6千万円。その他に、2日間の休館や10日の公演中止など、運用面の影響もあった。破損の原因などについては、設計者の磯崎アトリエと施工した大林組が調査しているが、第三者機関による調査も検討中。復旧に関しては、強度を増すよう応急計画を立てることにしており、10月末の完全復旧を目指す。また、今後の事業展開への影響について市長は「市民に開かれ、市民に愛され、ともに成長していく施設という私の理念は揺るぎない。1周年に向け、市民参加のイベントなども検討している」と答えた。08年供用目指し、中間処理施設整備 兼重元議員(新友会)は、ごみ破砕・選別施設(中間処理施設)について質問。処理能力などを尋ねた。
この施設は、資源物回収、リサイクルの推進、埋立物の減容化、処理場の効率的運用などを目的に、リサイクルプラザ隣接地に整備が計画されている。不燃ごみ、可燃性粗大ごみなどの選別・破砕を行い、年間9千㌧の処理能力がある。すでに、7月17日に地元説明会を実施。今後、県内の類似施設の視察などを経て住民の同意を得ることにしており、基本計画策定、設計、施設整備計画策定、生活環境影響調査などを経て、来年度中に国へ補助申請。06年度から2年間で建設し、08年4月の供用開始を目指す。総事業費は30億円。
同施設に関しては、小林訓二議員(山口未来クラブ)も、その必要性について質問。合志市長は「中間処理によって、リサイクル率を現在の18%から25%に引き上げられる。現在の1トンあたりの処理費用は焼却が4・1万円、埋立が4・6万円、資源化が3・8万円で、中間処理をすると資源化を中心に費用がやや増加するが、効率化によって全体が抑制される」と説明。室内処理を行うなど環境面にも最大限配慮すると述べた。
一方、原ひろ子議員(公明党)は、各地の温泉偽装問題に絡んで湯田温泉の活性化に言及。「今が絶好のチャンスである」とした。これに対し合志市長は、配給システムや泉質について説明するとともに、歴史文化資産を活用した魅力ある観光地づくりやPRに力を入れると答えた。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
│ニュース