サンデー山口

　15年間続けてきた「狂言鑑賞の会」の休止を決断。「これまで応援してくださった皆さんに感謝している。体勢を立て直して、また子どもたちが本物の狂言に接する機会を持ちたい」と心境を語る。
　平成文化の会は、地元の小学生に生の狂言を見せたいという思いを共有する人たちが集まって結成。1989年から狂言鑑賞の会を開催して、吉南地区の小学6年生に人間国宝・茂山千作氏ら大蔵流茂山千五郎狂言会の芸を見せてきた。当初は、行政の補助金や企業の協賛金が順調に集まったが、景気の後退などで次第に資金不足に。会員数もピーク時の約30人から現在は10人ほど。赤字分を分担しようにも、1人あたりの負担が大きすぎる上、舞台設営などの実務を手伝う人も不足。ついに休止を決断した。
　15年間の参加者は1万2千人以上。「一流の狂言に生で触れたことは、後々役に立つはず」と確信。活動の中で次第に貯まっていった道具類などは、そのまま保管してあり、狂言教室などで活用することも考えているが「とにかく今は、充電が最優先。仲間を増やし、”飲みニュケーション”でアイデアを出し合いながら再開を目指すつもり」という。

1958年小郡町生まれ。76年に山口県鴻城高校を卒業し、家業の寿司正を継ぐ。夫人、長女、次男と4人暮らし。46歳。