2004年10月17日
15~24歳の10人に1人が失業中

今春、小郡町高砂町にオープンした「若者就職支援センター」の利用者が、開設から半年で延べ6千人を超えた。9月末時点の登録求職者は2411人で、当初見込みの1・5倍。一部回復の兆しが見られるものの依然として厳しさの続く雇用情勢は、若者の就職にも影を落としている。さらに、若年層の就業意欲の減退や雇用のミスマッチ(不釣り合い)も深刻化している。
今月1日に山口労働局が発表した県内8月の求人倍率(求職者1人あたりの求人数)は、前月から0・06下がり0・89倍になった。山口公共職業安定所管内でも0・91と、全国の0・83をわずかに上回ったものの、1人に1件の求人がないという厳しい状況が続いている。
中でもとりわけ完全失業率(労働力人口に対する失業者数の割合)が高いのが、10代から20代の若者たち。03年度の平均失業率5・3%に対し、15歳から24歳が10・1%、25歳から34歳で6・3%。それも、年々増加傾向にある。
主な原因として、学卒未就職者の増加と自発的離職による失業増が挙げられ、一度就職してもミスマッチを理由に簡単に退職してしまうケースが多くなっている。新規学卒就職者が3年以内に離職する割合は「七・五・三現象」といわれるように、中卒で7割、高卒で5割、大卒で3割。こうした若者がアルバイト、パート、派遣などに流れ、いわゆる「フリーター」の増加につながっているのも事実だ。
来春卒業の大学・高校生ら新規学卒者における就職内定や公務員試験の合否発表が終わった現在、学生求職者は一気に増加。今月に入り、センターの利用者も大幅に増えている。特徴的なのは、「希望する職種・内容の仕事がない」といった相談よりも「自分のやりたいことが見つからない」「どんな職種に向いているのか分からない」という若者が多いこと。学生の6割以上がこのケースという。センターでは、個別カウンセリングや適職診断、能力開発セミナー、職業紹介、模擬面接指導などを行いながら、彼らの就職を後押ししている。
課題はミスマッチの解消
山口公共職業安定所管内の8月末現在の求人数は、常勤1769件、パート1126件。常勤を希望する人は2912人で求人倍率0・61、パート希望は468人で2・41。常勤での就職は依然厳しいが、年齢別の求人倍率は19歳以下2・52、20~24歳0・77、25~29歳0・62、30~34歳0・75と、若年層が優位なのは確かだ。求人があるにもかかわらず高まる若者の失業率は、企業側と求職者のミスマッチを如実に現している。
ミスマッチを解消する手立てとして、在学中に就業を体験させる「インターンシップ」を取り入れる企業も多い。山口商工会議所に事務局を置く山口型インターンシップ運営協議会では、大学生を対象にしたインターンシップを00年に開始。02年8月からは県経営者協会と連携し、市内のみならず県内・県外企業への就職体験も可能にした。今年3月末までの利用者は102人で、受け入れ先は42企業・団体。旅行業、マスコミ、建築関係の職種に人気が集まっており、最近では高校生も受け入れている。この体験は、卒業後の職業を選択する上で、自分の適性や課題を知る良いきっかけになっているという。
若者就職支援センターでも現在、県内の「情報通信」「環境」「福祉・医療」「生活文化関連」関連事業所5千社を対象に人材ニーズ調査を実施しており、来年3月までに人材育成プログラムを作成。来年度には大学、専門学校、職業訓練所などに配布し、能力開発に役立てていく考えだ。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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