2004年10月23日
11月1日新紙幣発行、ATM、券売機はOK

11月1日、20年ぶりに刷新された1万円札、5千円札、千円札の流通が始まる。新紙幣発行に伴い、券売機や現金自動預払機(ATM)、自動販売機を扱う業者などは準備に追われている。銀行やJRが初日から対応する一方、大半の自販機業者などは「一気には切り替えできない」と対応に苦慮。新紙幣への移行にはかなりの時間がかかりそうだ。
新紙幣発行の最大の狙いは、この5年間で10倍近くも急増した偽札の偽造防止。新紙幣には、斜めにすると異なる模様が浮かび上がる「潜像パール模様」や、角度によって画像の色や模様が変わる「ホログラム」、光にかざすと印刷された模様の背後に棒状の模様が透けて見える「すき入れバーパターン」が盛り込まれている。
1万円札の肖像はこれまでと同じ福沢諭吉で、絵柄を一部変更。5千円札には日本銀行券の肖像画では初の女性となる作家の樋口一葉、千円札は細菌学者の野口英世を採用した。裏面は、1万円札が平等院鳳凰堂の鳳凰像、5千円札が尾形光琳の燕子花図といずれも国宝。千円札は富士山と桜。大きさは基本的に現行と同じだが、5千円札だけは横の長さを1?広げている。
山口銀行は、県内外に設置するATMの紙幣読み取り機能を改良。「昨年10月から1年かけて準備してきた。今月末までに作業は完了する」と話す。市内に九つの支店を持つ山口信用金庫ほか各銀行も、すでに準備は万全。郵便局も間もなく準備が整い、1日には全て新札が使える状態になる。
JR新山口駅でも、駅構内にある券売機の切り替えを今月に入ってから実施。すでに完了済みで、1日から新札が使える。JR西日本広島支社によると、管内(島根県の一部を含む)157の駅に設置している券売機約350台のうち、7割弱が今月中に完了。来年1月に交換予定の古い機械を除いては、年末までに全て新札が使えるようになるという。
一方、自動販売機や両替機については、大半の業者が対応に苦慮しているようだ。
日本たばこ産業は、全国の自販機が新紙幣に対応するまでに、おおむね2年はかかると表明。来月テストを開始し、年明けから新旧対応型に更新していく方針だ。飲料水については、メーカーによって対応はまちまち。早いところは数カ月前からシステムの切り替えに着手しており、駅構内や公共施設、スーパーなど利用の多い所から順次作業を進めているが、これから作業を始めるメーカーも少なくない。
また、市内をはじめ県内中部、東部、北部に路線を持ち、約300台のバスを保有する防長交通に車内の両替機について聞いたところ、11月末から半年間かけて順次対応していく考えという。「コストの負担が大きく、すぐに対応するのは難しい」と同社。中国ジェイアールバスも「顧客に迷惑をかけないよう準備を進めるつもりだが、機械の更新は来年以降になる」と話している。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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