2004年10月24日
市教委が専門員派遣サービス開始

山口市教育委員会は、子育てに悩む親に対して専門員を派遣し、相談に応じる「市家庭教育訪問支援事業」を18日にスタートした。近年は核家族化や少子化、近所付き合いの希薄化など社会の大きな変化の中で、育児の悩みを一人で抱え、ノイローゼになる親も増えている。このため、担当する市教委生涯学習課は「ちょっとした悩みでも、気軽に利用してほしい」と呼びかけている。
「市家庭教育訪問支援事業」は、育児不安を解消し、個々の家庭の教育力向上を図ることを目的に、県の補助金を受けスタートした。
利用対象は市内在住の乳幼児から中学生までの子どもを持つ保護者。①子育てに追われ、毎日が不安②子どもに八つ当たりをしてしまう③しつけ方やほめ方がわからない④身近に育児の相談ができる相手がいない⑤引っ越したばかりで友達がいない⑥思春期・反抗期の子どもとの接し方がわからない--などの悩みをまず電話またはEメールで受け付け。訪問先・訪問日時の希望を確認し、後日委託する「家庭教育支援員」を無料で派遣するシステムだ。支援員は県が主催する家庭教育相談員養成講座を修了した主任児童員や子育てサークルの指導者らが中心で、初年度は19人を配置。相談業務だけでなく、子育てに関する講座や地区行事、子育てグループなどの情報提供も行う。
事業実施の背景には、都市化の流れで核家族化等が進み、子育ての悩みを誰にも相談できず、育児ノイローゼになる親が全国的に増加していることがあるという。山口市も例外ではなく、昨年10月に小6双子殺害事件、今年1月には6歳長女絞殺事件と、育児などに悩む母親が我が子を殺害するという悲惨な事件が立て続けに起こった。
市生涯学習課は「公園デビューが出来ない、子どもが言うことを聞かないなど、悩みの多くはそれほど重いものではないが、誰も相談相手がいないと、それらが積み重なり育児ノイローゼに陥っていく」と説明し、「悩みを打ち明けるだけでも気分的に随分違う。訪問相談で利用者との信頼関係を築き、きめ細かな対応をしていきたい」と話している。
専用番号はTEL083-928-3232で、平日の午前9時から正午、午後1時から4時まで対応。Eメール(katei-support@city.yamaguchi.yamaguchi.jp)は24時間受け付けている。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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