2004年10月27日
運転中のケータイに罰金

11月1日、自動車運転中の携帯電話使用に対する罰則適用が始まる。今年6月に成立した改正道交法の施行によるもので、従来から走行中の使用は禁止されていたものの、これまでは事故を引き起こさない限りは処罰の対象外だった。今回の罰則強化は、増える一方の”ケータイ”使用交通事故に歯止めをかける狙いがあり、県警では「罰則にではなく、事故に対する危機感を持って欲しい」と話している。
今年6月に成立した改正道交法の中で1日から施行されるのは、「運転中の携帯電話使用への罰則適用」「飲酒検知拒否への罰則強化」「騒音対策」の三つ。携帯電話の利用はこれまで「交通の危険を生じさせた者」に限って罰則を課していたが、1日以降は危険を生じさせたかに関わらず処罰の対象となる。
車やバイクの運転中に携帯電話を手で持って通話したり、メールの送受信などで画面を注視する行為を警察官が確認した場合、運転免許の行政処分基礎点数が1点、反則金が大型車7千円、普通自動車・自動二輪6千円、原付5千円が適用される。一定期間に反則金を納めなかった場合には、5万円以下の罰金が科せられる。
運転中に携帯電話を使用することは、手をとられてハンドル操作に支障をきたすだけでなく、画面に気を取られることで注意がそれ、重大事故につながる可能性がある。ケータイ使用が原因で発生した県内の死亡事故件数は、道交法改正前の99年が23件で、改正後の00年は5件に減少。ところが、01年、02年にはともに16件、03年は19件、今年にいたっては8月末時点ですでに22件と、再び増加に転じている。
今回、ハンズフリーでのケータイ使用は処罰の対象になっていない。そのため、自動車用品店などでは、携帯電話を持たずに通話ができるハンズフリー商品の売れ行きが好調。千円から1500円程度のイヤホンタイプが主流という。
だが、このハンズフリーも決して安全とはいえない。先週県警が行った機械による運転適性検査の比較実験では、通常の運転で判定5(運転作業に最も適している)の人でも、ハンズフリーでケータイを使用した状態で運転すると判定2(十分な注意と指導を要する)から1(不適当)にまで低下することが分かった。県警は「電話に意識が集中してしまえば、手に持たなくても危険性は同じ。ハンズフリーは処罰されないからと安心せず、電話がかかったら安全な場所へ停車して欲しい」と呼びかけている。
なお、飲酒運転の呼気検査を拒否した際の罰金は、酒気帯び運転の罰金と同額の「30万円以下」に引き上げ。集団暴走行為については被迷惑者がいない場合でも検挙され、2年以下の懲役または50万円以下の罰金。空ぶかしなどの騒音運転、消音器不備にも「5万円以下」の罰金が科されるようになる。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
│ニュース