2005年02月05日
県鴻城高レスリング部・藤永くん

「米遠征、大きな財産」 州大会で優勝
山口県鴻城高校レスリング部の藤永明宏くん(17)が、2週間にわたる「日本・北米高校生レスリング国際交流事業・アメリカ遠征」に日本代表メンバーとして参加した。出発前、「自分の力が通用するか楽しみ」と言っていた藤永くんは、ワシントン州の州大会に出場し、外国人選手を相手に優勝。アメリカでの経験は、今後につながる大きな財産となったようだ。
ワシントン州遠征に参加したのは、年間4回ある全国大会の各階級3位以内に入った高校生の中から選抜された13人。期間中、州内をホームステイしながら、同州にある高校でレスリングの練習や交流試合、授業参観などを行った。
60㌔級の代表選手として選ばれた藤永くんは最終日前日、階級別に同州の地区代表8人が出場する州大会「エドモントントーナメント」に参加。試合形式は、日頃日本で練習しているフリースタイルではなく、安全性を考えたアメリカ独自のカレッジスタイルで行われた。
いつも使っている技が反則になるなど、点数の入るポイントの違いに最初は戸惑ったというものの、技術面では圧倒的に勝っていた藤永くん。前日習ったルールをすぐに修得し、3試合ともフォール勝ちで優勝した。
しかし、藤永くんはこの勝利を手放しでは喜ばない。「外国人選手は、パワーがある上、『自分が一番』という気持ちで当たってくるのでとてもやりにくかった」と話し、「彼らのように気持ちの面でも、もっと自信を持って戦えるよう精神面を鍛えたい」と、新たな課題も見つけたようだ。
平川辰儀監督は「帰国後、彼の体験談を聞いた1、2年生が『自分も遠征のチャンスをつかみたい』と闘志を燃やし、部全体の意識向上にもつながっている」という。
異文化交流で成長
国際試合の経験を積むとともに、異文化交流を図ることも目的のこの事業。言葉や食事、文化など全く違うアメリカでの経験は、藤永くんにとってかけがえのない宝物になった。
ホームステイ初体験の藤永くんは、遠征当初、文化や習慣の違いに驚きの連続。靴を履いたまま家に入ることや、真っ暗な中スポットライトを浴びながら夜に行われるレスリングの交流試合…。しかし、すぐにその違いも受け入れることができ、一番苦労したという言葉の壁もジェスチャーを使うことで克服。苦手だった英会話も、友達や家族に自分の気持ちを伝えられるという喜びから、だんだん好きになっていった。
また、アメリカ人の温かさを肌で実感したのが、州大会での出来事。「最初にホームステイした家のお父さんと子どもが、車で5時間近くかけて最後の試合を見に来てくれた。再会できるとは思っていなかったので2人の姿を見た時は本当にうれしかった」と振り返る。帰国後、ホームステイ先の家族や友人とのメール交換も始まった。
藤永くんは「遠征で外国人選手と戦えたことや、交流できたこと、ホームステイ先での経験は自分にとって大きな財産となった。大学に進学してからもアメリカで学んだ経験を生かし、広い視野を持って練習に励みたい」とすがすがしい表情で語った。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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