2005年02月09日
地域に次々「見守る目」
以前から職員による下校時の巡回パトロールを行ってきた大殿小は、同事件以後、実施日を増やして警戒を強化。佐山小も昨年12月から、宮野小でも1月から、同様に「パトロール中」の文字が入ったステッカーを車に張り、職員が交代で通学路の見回りを行っている。いずれも巡回中に不審者などに遭遇することはなかったが、「子どもたちに安心感を与える一方で、犯罪の抑止にもつながる“二重の効果”を期待できる」と大殿小の山根和夫校長は話す。
小鯖小は、職員とPTA役員が外出の際に、パトロールを示すステッカーを車に張るという試みを12月から開始。湯田小PTAでも先月から、防犯に対する親の意識を高めようと「PTAパトロール中」の文字を入れたオリジナルステッカーを無料配布し、保護者の自主的なパトロールを呼びかけている。
川西中校区となる嘉川、興進、佐山小では、小・中4校のPTA、地区の青少年健全育成連絡協議会(青少協)、防犯対策協議会がタイアップして、住民による「見守りボランティア」を昨秋結成した。黄緑色の帽子をかぶったボランティアが、犬の散歩や買い物などに出かける時間をなるべく登下校時間に合わせるという取り組み。日常生活の中で無理なく続けられる上、監視の目が多いという利点がある。
一方、各地区の青少協などが設置している「こども110番の家」も、ここ数年で一気に数を増やした。97年に神戸で起きた児童殺傷事件をきっかけに全国で設置運動が始まり、現在市内には1266カ所ある。これまで地域ごとにまちまちだった旗などの掲示は、今年度から市が作成した統一旗となり、子どもが駆け込んだ際の対応マニュアルも配られた。近所づきあいや地域コミュニティが希薄になったと言われる中、「110番の家」になったことがきっかけで、通学中の児童・生徒に気を配るようになったという人も多く、市青少協の松永正己会長は「あいさつだけでも普段から子どもとのふれあいを持ち、近所の顔を互いに知ることが防犯の第一歩につながる。そうした意味からも“家”の存在意義は大きい」と話す。
さらに新顔の「110番の家」も増えている。県内のガソリンスタンドが加盟する県石油商業組合は、各給油所で「かけこみ110番」事業を展開。24時間明かりを灯しているコンビニでも「110番の家」に名乗りを上げ、子どもの緊急避難所に一役買おうという店舗が増えている。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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