2005年02月23日
みんなの拠点「森の夢」完成

宮野上岩杖に、森林ボランティア「マロニエの森の会」(斉藤亘会長)の拠点施設「森の夢」がこのほど完成。10年来の夢をかなえた同会は、周辺の田畑や森林とともに市民に開放し、環境保護の大切さをこれまで以上に訴えていきたいという。27日(日)午前11時からは、一般へのお披露目となる落成式を開催。「気軽に参加して」と呼びかけている。
美しい森と水を守る活動を続けている同会は、環境視察でパリ・リュクサンブール公園を訪れ、落葉樹の鮮やかな紅葉に心奪われた斉藤会長の感動がきっかけで設立された。「落ち葉は降った雨を保ち、美しい水を生む。深い根は山崩れを防ぐ」と落葉樹に熱い思いを込める斉藤会長の呼びかけで、96年春に発足。木戸山公園周辺での広葉樹の植林や手入れ、美化活動などを続けながら、「地球の緑を親から子へ」という目標に向かって森や樹木を地道に育んできた。会員は現在約90人。そして活動10年目を迎える今年、念願だった会の拠点をついに手に入れたのだ。
2年前のこと。長年活動の場としてきた木戸山公園のふもとにあたる岩杖の伊藤賢彦さんから、ある話を持ちかけられたことがきっかけだった。手入れできずに荒れ果て、ゴミの不法投棄の恐れもある田畑や山林を管理してもらいたいという申し入れだ。1・2㌶の農地、広さ500平方㍍の古びた鶏舎、竹がはびこった里山を20年間、無償で借り受けることになった同会は、つるや雑草に覆われた田畑を1年以上かけてコツコツ整備。一面にコスモスの種をまき、10本のマロニエの木を植え、昨春は国際ソロプチミスト山口から贈られたクリ、リンゴ、イチジク、サクランボなどの果樹130本も植樹。さらに農地整備が一段落した昨夏、同会は新たな仕事に取りかかった。
それは、かつて鶏舎として使われていた建物を手直しし、キャンプなどができる自然体験施設にしようというもの。改修には多額の費用がかかるが、「グラウンドワーク活動支援事業」として市と県から200万円の補助を受け、何とか材料費をまかなうことができた。屋根や壁を張り替え、鉄骨のさびを落としてペンキを塗り、入り口や照明を取り付け…。会員たちは仕事の合間をぬっては鶏舎を訪れ、改修作業に汗を流し、やっと今週、最後の仕上げとなる看板を掲げた。
「森の夢」周辺には、自然の恵みがあふれている。生き物が豊かな渓流・岩杖川が側に流れ、辺りにはトンボやチョウなどの昆虫が飛び交い、山からは野鳥のさえずりが聞こえてくる。山菜採りやホタル狩りなど、四季折々の楽しみもいっぱいだ。「この恵まれた自然環境を最大限に生かし、我々が中心となって、多くの人とともに美しい森と水を育てていきたい。いずれは一帯をみんなの自然公園にしようと思っている。環境を壊したのが人間なら、元に戻すのも人間。皆さんもぜひここに足を運び、環境について一緒に考えてみませんか」と斉藤会長。27日の落成式では参加者とともに今後の活用法についても話し合い、会員以外の希望者にも貸し出しするという。
問い合わせ先は、同会事務局の杉山さん(TEL083-928-0614)。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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