2005年04月02日
少子化で、学校の再編整備を推進

山口県教育委員会はこのほど、県立高校の05年度から14年度までを期間とする将来の整備構想を発表した。国際化や情報化、少子化などの課題に対応するため、特色ある学校づくり、学校・学科の再編などを主要指針にしている。
現在、県立高校は国際化、情報化などによる社会の変化や、個性化・多様化に伴う生徒のニーズの変化、生徒減少による学校の小規模化への対応などの課題に直面している。
こうした課題に対応するため、県立高校では中長期視点に立って生徒や社会のニーズに応じた多様で柔軟な教育システムを構築するが、策定の主要指針には①教育活動の充実②特色ある学校づくりと学校・学科の再編整備③信頼される学校づくり④教育条件の整備 -を挙げている。また本県の中学卒業者の減少は14年度以降も続くことが予測されるため、これを見通した上で今後の方向性も検討する。
構想の基本的な考え方としては、科学技術の進展や産業構造の変化などに対応するために異文化を理解し尊重する態度や、国際社会の中で活躍できる人材の育成、情報機器の活用や情報を適切に判断・分析する資質能力の養成、男女共同参画社会に対応した教育を推進する。
本県の中学卒業者数は年々減少し、このままでは県立高校の学校規模はますます小さくなることが予測されており、生徒の学習ニーズに対応しにくくなることや、生徒の活動意欲が失われるなどが懸念される。
こうした状況から、選択幅の広い教育の推進や、活力ある教育活動の展開ができるよう、一定の学校規模の確保を目指して再編整備を進めることにより高校教育の質的充実を図ることにする。
さらに障害があるなど、特別な支援を必要とする生徒に対しては、中学校や盲・ろう・養護学校等と連携を図りながら、生徒一人ひとりの実情や要望に応じた適切な支援を行うことが必要としている。
県立高校の課題と目指すべき方向をまとめると、生徒一人ひとりの興味・関心や能力・適性・進路希望等に対応できる特色ある学校づくりを推進し、教科科目の選択幅の拡大を図ること。キャリア教育を充実し生徒の進路希望に応じた資質能力を伸ばせる柔軟なシステムを持つ学校づくりを進める。
このほか、文化活動の活性化、健康・体力づくりの推進、運動部活動の活性化など進学指導の充実を含めた指導要領や、実業科高校における農業、水産、工業に関する学科など、専門性を一層高める教育内容・方法等の改善充実に努めるとしている。
この県立高校の将来構想は、構想の趣旨を基本に全ての教職員が課題意識を持って推進に取り組み、また、構想を具体的に進めるにあたっては、年次的、計画的に実施する必要があり、特に「学校・学科の再編整備」は各学校の状況を把握しながら実施していくとしており、県立高校の統廃合に向かって高校教育の現場の改革は少子化進展の上からも避けて通れぬ問題となっている。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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