2005年04月15日
小野さんが全日本女子柔道選手権に出場

西京高校女子柔道部(湯浅聖子監督)の小野江那さん(17)が17日(日)、日本女子柔道の最高峰「全日本女子柔道選手権大会」(愛知県武道場)に中国地区代表として出場する。同大会への出場を決めた高校生選手は県内で初めて。「第2の阿武」との呼び声も高い小野さんはいま、県内柔道界の歴史に新たな1ページを刻もうとしている。
「全日本に行けるなんて夢のよう。とにかく一戦一戦を大事に、悔いのない試合をしたい」
寝技や投げ技、乱取り…ひときわ大きな声を出し、男子部員に交じって毎日汗を流す。先月13日の中国地区予選で、高校2年生ながら他選手を圧倒、全日本へのキップを手にした小野さんがいよいよ今月17日、夢の舞台にのぼる。163㎝、柔道初段。力強い立ち技が得意だ。
3月19日に東京武道館で行われた「全国高校柔道選手権大会」女子個人戦78㌔級でも、1回戦から決勝まで5試合を勝ち抜き、優勝。同校開校以来初めての柔道全国制覇、県内では実に13年ぶり2人目の同大会1位という偉業を成し遂げた。30日には、県のメダル栄光・体育賞も贈られている。
6歳の時、刑務官の父の同僚が指導するスポーツ少年団に入団。同い年の子よりもひと回り体が大きく、人を投げる快感から柔道の魅力にとりつかれた。着実に力をつけ、小学生時代からすでに県内トップの成績。柔道部を持つ宮野中学に入学し、自宅・湯田から自転車で登校、放課後には柔道場のある西京高まで片道10㌔を毎日通った。けいこの後も、体力をつけるために2㌔のランニング。“練習の虫”といわれた中学時代、全日本中学校体育大会で2年連続のベスト8。優勝間違いなしといわれた3年時には、緊張で力を出し切ることができなかったが、それでもベスト16入りを果たした。
県内柔道の名門・西京高入学後は、1年で全日本ジュニア3位、2年では夏のインターハイ2位、全日本ジュニア3位と全国トップクラスの選手に成長。「自分に納得がいくまで突き詰めないと気が済まない性格。勝つことよりも内容を重視している」と落ち着いて語る一方で、「周りの人が思うほど根を詰めているわけではないし、特別な人間でもない。あちらこちらから取材を受け、最近になってやっと優勝の実感がわいてきた」と、ごく普通の女子高生の一面を見せる。
「素直で教えたことはすぐに吸収する。気のやさしさは勝負の上ではマイナスになることもあるが、これから経験を積んでますます成長するだろう」と、同部で中学生時代から彼女を指導している田中雅彦コーチ(52)。
あこがれは、アテネ五輪金メダリスト・阿武教子選手。昨年県庁で行われた阿武選手の優勝報告の際に、花束を手渡した縁もある。階級も同じで「阿武選手のように、大型選手にも対応できる組み手を身につけたい」と話す。先月末に全日本の強化合宿で右ひざを痛め、まだ本調子ではないが「未知の世界を見られるだけでも光栄」と自然体で選手権に臨む。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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