2005年05月13日
まるでサボテン!?駅通りの並木

初夏の太陽を浴び、新緑がひときわまぶしいこの季節、緑鮮やかな街路樹は、道行く人々に一服の潤いと安らぎを与えてくれる。ところが、今年の駅通りはいつもと違う表情。バッサリと枝を切られた並木は、サボテンのような哀れな姿で来街者を迎えている。
JR山口駅正面から中心商店街へつながる駅通り。道沿いにはイチョウの木が整然と植えられ、アーケードをはさんだ新町商店街からは、「日本の道100選」にも選ばれた山口を代表する散策路・パークロードへと美しいケヤキ並木が続く。春に芽吹いた新芽が青さを増すこの時期は、街路樹が最もきれいなとき。緑が溶け込んだ街の景観を、写真に収めて帰る旅行客も少なくない。
しかし、今年の駅通りは様子が違う。枝という枝をすっかり切り落とされ、丸裸になったイチョウの幹からは、わずかに新芽が顔をのぞかせる程度。商店街関係者や住民からも「こんなに短くされたのは初めて」「何もここまで切らなくても…みっともない」といった声が上がっている。
せん定が行われたのは2月下旬。葉が茂って信号や標識などが見えにくい、落ち葉の清掃管理が大変などの理由からだ。県土木事務所では「イチョウは秋に一斉に葉を落とすので、道を滑りやすくして危険。といに詰まる、掃除が大変などの苦情も多いのでせん定は欠かせない。短すぎたかもしれないが、まめに刈り込むことは予算不足でできない」と話している。
今回はイチョウのみが対象という県の見解だが、なぜか駅通りからつながる新町商店街のケヤキ2本も短く刈り込まれている。周辺で事情を聞くと、並木が植えられる以前から同商店街で商売を営んでいる小田静雄さんが、3本目のケヤキが切られる直前に異変に気付き「これはせん定じゃなく伐採じゃないか」と作業員に詰め寄っていたことが判明。「並木にしても花壇にしても、行政はつくったらほったらかし。夏の水やり、秋の落ち葉掃除など、地元の人間が自主的にやっているからこそ景観が保たれているのに。確かに苦情もあるが、作業の前にひと言地元にも声をかけるべきじゃないのか」と小田さんは話す。確かに、手入れというよりは伐採といった印象。これではあちこちから細い枝が伸び、育っても余計に不格好だろう。予算不足とはいえ、なんともお粗末。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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