サンデー山口

　昨年4月に山口ふるさと伝承総合センターのゲンジボタル担当員に就任。ホタルについては全くの素人だったが、前任者や地域の人たちの協力を得て、1年間飼育や観察を行い、あす4日、一の坂川周辺で行われる「ほたる観賞の夕べ」を迎える。「昨年はすべて手探り状態で、わからないことも多々あったが、何とか例年同様10月に約1万匹の幼虫を放流した。『観賞の夕べ』でどれだけのホタルが飛んでくれるか、期待と不安が入り交じっている」と語る。
　一の坂川でホタルの増殖が始まったのは、今から約40年前。91年からは地区の7団体が「大殿ホタルを守る会」を結成し、同センターの土蔵で飼育等を行っている。幼虫は、ちょっとした水温・水質の変化などで死滅してしまうこともあるため、〝新米担当員〟にかかるプレッシャーは大きく、「水槽の中で本当に生きているのか不安になることもある」と明かす。
　これまでの活動を通して見えてきたのは、環境保全の大切さとホタルに対する地域住民の熱き思い。「ホタルの幻想的な光を楽しむことができるのも、環境を整備してきた地域の皆さんのおかげ。観賞をするとき、そのことも頭に入れておいてほしい」

1939年山口市秋穂二島生まれ。山口大学教育学部卒業後、小学校教諭に。5年前、平川小学校校長で定年退職を迎えた。65歳。