2005年06月19日
市内でも続々と「クール・ビズ」

県や市、一部企業で取り組み進む
環境省が地球温暖化防止対策として提唱する夏の軽装ビジネススタイル「クール・ビズ(COOL BIZ)」の取り組みが、山口市内でも公官庁を中心に始まった。国の出先機関や県は国に合わせ今月1日から、山口市は13日から軽装に切り替え、多くの職員が涼しげなノーネクタイ姿で職務にあたっている。一般企業にもこうした動きが広がっているが、大半は「温暖化防止は大切だが、お客さん相手に失礼があってはいけない」と対応を決めかねている様子。一方、「クール・ビズコーナー」を設けた百貨店には多くの買い物客が訪れており、売れ行きも好調のようだ。
山口県は、地球温暖化防止のため5年前からノーネクタイ・ノー上着を奨励する夏季の「エコ・スタイル運動」を実施。今年は「クール・ビズ」を提唱している国に合わせ、例年より1カ月早い今月1日から行っている。この運動は9月30日まで続け、この間、庁舎内の冷房温度を通常よりやや高い28度に設定し、電気・燃料使用量の削減に努めている。
県環境政策課は「5年前から実施しているので、職員に戸惑いは見られない。今年はマスコミで『クール・ビズ』が大きく取り上げられているので、周囲の理解も得やすくなっている」と話し、「ネクタイをしないだけで、暑さは随分やわらぐ。国や自治体が率先して夏の軽装を行えば、民間も導入しやすくなるのではないか」と期待する。
2年前から毎週水曜日を「カジュアルデー」とし、夏の軽装・冬の厚着を試みていた山口市でも、今年は今月13日から9月30日まで毎日、ノーネクタイ・ノー上着に取り組むことにした。
窓口で市民と接することの多い市民課の中野健さんは「ノーネクタイの方がやはり楽。でも、これから毎日となると、どうやってコーディネートしていいのか…。服装で市民に不快な思いをさせないためにも、これから勉強です」と言う。市では職員の大半が「クール・ビズ」に切り替えたが、強制ではないため庁舎内には〝ネクタイ派〟もちらほら。「大事な面談もあるので、ネクタイは必要」「慣れているから」「軽装の服を持っていない」など、その理由はさまざまだ。
一般企業でも、「クール・ビズ」に取り組むところが出てきている。中国電力山口支社は、昨年までの「ノーネクタイ運動」に今年から「ノー上着運動」を加えた。今月8日からの実施で、強制ではないが、ほとんどの社員に浸透しているという。また、NTT西日本山口支店でも「ノーネクタイ運動」を実施中。ただ、業務によってはネクタイを外せない場合もあるため、対応は各社員に任せており、同社は「定着するにはまだ時間が必要」とコメント。
しかし、こうした企業はまだ少数派で、大半はビジネスマナーを重視して、現行通り。あるサラリーマンは「極端かもしれないが、ホリエモンのようにノーネクタイで批判された例もある。日本社会全体で『クール・ビズ』を後押ししてくれないと、なかなか難しい」と本音をポツリ。
(財)省エネルギーセンターの実験によると、上着を脱いでネクタイを外すと、体感温度は2度下がるという。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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