2005年06月24日
山口日フィン協会設立

山口とフィンランドとの交流を深めようと、県立大学院生の縄田恵さん(25)ら16人が先月「山口日フィン協会」を設立した。山口と意外に縁のあるフィンランドは、いまや教育、IT、デザインとさまざまな分野で世界トップ水準を誇る元気な国。縄田さんは「文化だけでなく経済交流も活発に進めたい」と話す。7月20日から山口市菜香亭で開く記念行事を皮切りに、活動を本格化させる。
元NHK山口放送局キャスターの縄田さんは02年12月、商店街で開かれたクリスマスファッションショーへの取材で一人のフィンランドデザイナーに出会った。ショーの企画者・水谷由美子同大教授(48)が招いていたナオト・ニイドメ氏だ。彼らフィンランドのデザイナーたちの市民との身近なかかわりや作品に込められたメッセージ性の強さにひかれた縄田さんは、この取材をきっかけにフィンランドに関心を持ち始めた。さらに翌年7月、「竹」をテーマに開かれた萩市の展覧会会場で偶然、両氏に再会。過去の深刻な森林破壊を教訓に自然との共生を図り「森と湖の国」と呼ばれる環境を取り戻したフィンランドの歴史を聞き、さらに心はかき立てられた。
「苦い過去から立ち上がり、今も成長を続けているフィンランドに学ぶことは多い」--縄田さんは04年、フィンランドについて学ぶ決心を固め、水谷教授を頼って同大学院へ社会人入学。フィンランドデザインと国際交流をテーマに研究を始めた。その中で、首都・ヘルシンキの市立美術館と県立山口美術館との相互交流、宇部市出身の音楽評論家・森本覚丹がフィンランドの叙事詩「カレワラ」を初めて日本語訳し、フィンランドから勲章を贈られていたことなど、山口との近しい関係を次々に発見。従来の単発的な関係ではなく、より身近な市民レベルでの交流の必要性を感じた。「協会設立を呼びかけると、個人、団体、企業のトップら十数人がすぐに集まった。同じように関心を持つ人は多かった」
一つの出会いから生まれた新たな国際交流。だからこそ、人と人とのつながりを大事にしたいという。「良いところは積極的に吸収すべき。まずは互いを知ることから始めたい。気軽に参加して」と縄田さん。ヨーロッパで初めて女性の参政権を認め、00年には初の女性大統領も誕生したフィンランドだけに「女性会長がきっと山口を元気にしてくれますよ」と水谷教授も期待する。会員は随時募集中。年会費は企業会員1万円、一般3千円、学生千円。問い合わせは、水谷教授(TEL083-928-2550)へ。
なお、来月20日から26日まで記念行事として、フィンランドを代表する写真家、ヤリ・イェッツォネン氏の写真展を山口市菜香亭で開催。初日には同氏、フィンランド駐日大使も会場を訪れる。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
│ニュース