2005年07月24日
がんばれ! きょうちゃん ちょっとだけ 力を貸してください

難病のウェルドニッヒホフマン病と闘っている「きょうちゃん」こと黒川の山本喬介くん(6)が今春、平川小学校に入学。母・千加さん(40)や通学ボランティアの三井ツチヨさん(61)に支えられ、無事1学期を終えた。2人のお兄ちゃんも通う小学校に行くことは、きょうちゃんの小さなころからの夢。しかし今月に入り、なぜかきょうちゃんは学校に行きたがらなくなった。通学によって母の負担が大きくなったことに気づいたのだ。長い2学期を控え千加さんは、家事などを手伝ってくれる協力者を広く求めている。
運動神経のみが侵され、筋肉や神経が衰えていく難病・ウェルドニッヒホフマン病(脊椎性筋萎縮症)と生まれてすぐに診断されたきょうちゃんは、生後2カ月で呼吸が困難になり、人工呼吸器なしでは生きられない状態に。食べることも、話すことも、体を動かすこともできなくなった。県内患者は現在、きょうちゃんただ一人。病気の進行の予測が立たない上、有効な薬も治療法も見つかっていない。
眼球と下唇の端しか動かせないきょうちゃんだが、5歳ごろから意思表示をするようになった。眼球を動かしてのアイコンタクトと、呼吸に合わせて出す音での返事。この病気は知的障害を伴わないので、脳はほかの子と同じように成長と共に発達するのだ。そして小学校入学を控えた昨年、養護学校ではなく、お兄ちゃんたちと同じ小学校に通いたいと、きょうちゃんは強く訴えた。
千加さんは市教委にかけあって、何とか平川小学校への入学を許可された。しかしながら、外出には機器などを一緒に運ぶため大人2、3人が必要。もちろん看護も。家計を支える夫が仕事を休むわけにもいかない。そんな時、幸運にも読み聞かせのボランティアに参加したいとやってきた元看護師の三井さんと出会い、通学を手伝ってもらえることになった。
そして4月、喜びの入学。肢体不自由児学級「すみれ組」での学校生活が始まった。きょうちゃんの身体への負担を考え、週3日程度、午前中だけの授業だが、同級生と同じ教科書で同じように勉強。今月はボランティアらの手も借り、夢にまで見たプールにも挑戦した。ところが最近のきょうちゃんは「行きたくない」と自ら脈拍数を上げるなどして通学を拒否。学校に通いはじめたことで疲労の増した千加さんが、普段きょうちゃんを外に連れ出せなくなったためだ。毎日数十分おきの痰取り、3時間ごとの呼吸器の水抜き、通学、家事、育児…。日々体力の限界と闘っている千加さんに、これ以上きょうちゃんを外出させる余力があろうはずもない。
掃除、ゴミ出し…何か一つでも
3歳の時、千加さんはきょうちゃんとある約束をした。「わたしがきょうちゃんの手となり、足となって何でもするから、一緒にがんばろう――」。それまで、大きくなればお兄ちゃんたちと同じように走ったり、遊んだりできるようになると期待していたきょうちゃんに、一生動けない病気であることを説明した時のこと。きょうちゃんのショックは大きく、3日間目を合わさず、食事も受け付けなかった。以来千加さんは、身を粉にしてきょうちゃんの思いに応えてきた。そしてきょうちゃんも、幼いながらも母を気遣い、我慢強さを身につけた。
ベッドの上で、大好きな外の景色に目をキラキさせるきょうちゃん。「今ではきょうちゃんに会うのが私の生きがい。協力者が増えればもっと喜ばせられるのに」と三井さん。千加さんは「三井さんには大きな負担をかけてしまって申し訳ない。ちょっとしたことでいいんです。皆さんの力を貸していただけませんか」と呼びかけている。
ボランティアの内容は、掃除、ゴミ出し、洗濯、買い物などの家事、通学援助、きょうちゃんやお兄ちゃんたちとの遊びなど。できる時に、できる範囲で構わない。問い合わせは山本さん(TEL083-920-6123)へ。留守番電話の場合は必ずメッセージを。
なお、近日発売の週刊女性のコーナー「がんばれ小さな戦士」で、きょうちゃんが紹介される。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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