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2005年08月10日

三島文学に大内氏史話

三島文学に大内氏史話

 祇園まつりに続く七夕ちょうちんまつりと、山口の夏をいろどる大内文化の名残りをしのぶ行事は終わった。そうした中、大内文化をしのぶものとして、河出書房版「文藝」55年12月号に三島由紀夫脚本による歌舞伎「芙蓉露大内実記」が全容掲載されていることが判明した。

 地獄変、鰯雲恋曵網、それに芙蓉露大内実記を三島由紀夫は自ら歌舞伎台本三部作と称している。芥川龍之介原作、三島脚本の地獄変は54年に久保田万太郎の演出で大阪松竹座で上演されたが、続いて翌55年には芙蓉露大内実記が三島由紀夫演出で東京歌舞伎座で上演された。
 出演者には中村歌右衛門、市川猿之助、澤村宗十郎、中村芝鶴ほかという名優が揃っている。特に大内義隆役の猿之助とはセリフの内容で意見が対立し、三島が急きょ約1時間で書き直したという逸話も、三島由紀夫脚本集に解説されている。また大内晴持役で初演の若い実川延二郎には「頑張って下さい、延二郎君へ」の一文を寄せるほど演出には熱を入れたという。
 本舞台は周防国大内館の場で、天文12年秋7月(陰暦)の想定。役名は大内右京太夫義隆、大内新介晴持、小幡四郎、太刀持、郎党大ぜい。御台芙蓉の前、局唐藤、腰元葉末、腰元大ぜい。
 四間通し高二重舞台、貝附墨絵の襖、墨塗り階、折り曲げ廊下という仕組みで庭前には白芙蓉の立木を並べ、すべて周防国亀山麓大内屋形の体にて幕があき、すぐに浄瑠璃となり、--。
 「秋来ぬと目に遠夫(遠方にあること)の留守館、宗(先祖)は百済の琳聖太子、裔(子孫)は威勢を七国に甍聳ゆる影草や、しげる憂を狩倉より、大内義隆が子息晴持、家臣を引連れ立ちかえる」と語られる。
 あらすじは、尼子攻めに初陣をと願う晴持に対し、継母ながら晴持に心を寄せる芙蓉の前が、尼子の戦 唐天竺の戦なりと急くまえぞえと押し止めるなど、義隆と晴持と芙蓉の前をからめた葛藤物語で、尼子合戦で溺死したとの伝説がある晴持の死を、ほまれの討死と義隆がたたえるところで幕になっているが、三島の戦後間もない頃の小説「中世」にも見られるように滅びの美学がうかがえる脚本である。


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)ニュース
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