2005年08月19日
テニス界に39歳の新鋭 松永さん 全国に挑戦 -きょう中国大会-

小郡町で学習塾を営む無名のテニスプレーヤー・松永博憲さん(39)が、今年4月の「第59回九州毎日オープンテニス選手権大会」で見事優勝。全日本ベテランJOPランキング22位に駆け上がり、10月に愛知県で開催される「第67回全日本ベテランテニス選手権大会」への出場権を手中に収めた。そしてきょう19日、維新公園テニス場で、中国選手権初優勝に向けた試合に挑む。
初出場の無名選手が、40歳以上シングルスの3年連続覇者、実業団あがりの中牟田康選手を破り、優勝した――元プロや現役テニスコーチらがしのぎを削る九州オープンに、大きな衝撃が走った。松永さんが日本テニス協会に選手登録したのはちょうど1年前。大会時点でのランキングは、中牟田選手10位、松永さん34位だった。
テニスを始めたのは山口高時代。確実視していたインターハイ出場の夢に破れ、山口大進学後はタイトル獲得とは無縁のテニス同好会に所属。県庁入りしてからは、社会人として県下の大会に出場しながら、テニスを楽しんできた。そして、塾講師への転職を決断した27歳の県ランキング4位をピークに、成績は低迷していった。
そんな松永さんは03年12月、ふと「何か絶対的な自信を持ちたい」と思い、一念発起。手始めに“腕立て伏せ・腹筋1日50回”を実行に移した。独立から4年目を迎え経営も落ち着いてきた昨年8月、軽い気持ちで挑戦した中国選手権。初めての大舞台で準優勝という快挙を成し遂げたものの「もう少しで勝てたのに」――喜びよりも悔しさが残った。
それからというもの、毎日の“日課”をこなしながら仕事の合間を縫っては同協会公認の大会に出場。昨年11月の山口県テニス選手権では、中国選手権で惜しくも敗れた優勝者を下してリベンジを果たした。まさに、波に乗った中での九州オープンだった。
とはいえテニスは、仕事を抱えながらの楽しみ。遠方で数日間続く大会では、早朝会場に向かって午前中プレーし、試合が終わればすぐさま車を飛ばして塾へ。とんぼ返りの毎日を繰り返すのだ。そんな厳しい試合にも耐える体力と精神力は、いったいどこから生まれるのだろうか――。松永さんは「時々ふと自分の将来が見えることがあって、その時思ったこと、目指したことに従順に行動していると、不思議と良い結果が出るんです。仕事、トレーニング…毎日が充実しているからこそ、テニスでも結果が残せているのだと思います」と語る。
このたびの中国選手権で優勝すれば、ランキングは一気に16位に。「19日は亡き父の誕生日。全国行きはすでに確定していても、大会を制して地元で錦を飾りたい」
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
│ニュース