サンデー山口

9月は「救急医療普及月間」。山口地域消防組合消防本部救急担当主査として、市民対象の救命講習、救急救命士の指導、医療機関との連携などの業務に当たり、救命率アップに力を入れている。
　救急医療で大切なことは「早い通報」「早い応急手当」「早い応急処置」「早い医療処置」。特に傷病者が心肺停止の場合、救急車が到着するまでの間の応急手当の有無で生存率は大きく変わってくる。「酸素なしで脳が生きていられるのはわずか3～4分。しかし、救急車が現場に到着するまでには平均で約6分かかる。その間、心肺蘇生など何もせずに救急隊に引き渡した場合、仮に命を救えたとしても社会復帰できるまで回復させることは困難。だから多くの人に救命講習を受け、実践してもらいたい」と訴える。
　同本部初の救急救命士になったのは10年前。生死にかかわる緊迫した場面をいくつも経験し、必死に任務を遂行してきた。2年前現場を離れデスクワークに移ったが、一人でも多くの命を救いたいという気持ちに今も全く変わりはない。「救命率アップには本部での仕事も重要。〝山口市に住んで良かった〟と言われるような救急医療サービスを提供していきたい」

1965年山口市嘉川生まれ。宇部中央高校卒業後、83年に山口市消防本部（当時）消防職員に採用。95年に救急救命士の資格を取得した。40歳。