2005年11月23日
100年ぶりに御所車新調きょう、山口天神祭

総勢250人の時代絵巻
西の京・山口の三大まつりを締めくくる山口天神祭がきょう23日、古熊神社(真庭宗雄宮司)などを会場に行われる。今年の大拝司は宮野下の德田功さん(66)で、小拝司は宮野下の白岩隆治さん(70)。387年の伝統を持つ伝統行事は、江戸時代の絵巻物を思わせる250人の御神幸行列やチビッコすもう大会、もちまきなどでにぎわう。
古熊神社は、1373(応安6)年に大内弘世が京都の北野天満宮から御分霊を勧請し、山口北野小路に鎮座した。山口天神祭は、1618(元和4)年に毛利秀就が社殿を今の古熊に移して以来、今年で387回目を迎える伝統行事で、古来よりの例祭、御神幸行列を今に伝えている。
古熊の祭神は、学問の神様・菅原道真公。大拝司が竿衣を着ているのは、太宰府へ流される途中の道真公が多々良の浜に船を着けた際、土地の代官・土師氏が物干し竿の着物にそのまま手を通し、あわてて駆けつけたという古事による。道真公は、その姿に心を和まされたと伝えられる。
昨夜は、古熊神社で花神子祭を実施。一夜酒に黄色の菊花を添えて花神子自らが神前に供え、御神幸祭の成功を祈願した。今年の花神子、神酒官女、菊官女は、平井に住む種田3人姉妹。
23日は、午後1時に獅子舞と御綱代車が古熊神社を、備立行列が八坂神社を出発する。二つの行列は、1時20分に大市の札の辻で合流。呼び物のひとつであるお稚児さんを乗せた宝恵籠と長持もここから参加する。一行は、「いさぎよい すなおな心」でお迎えしようという意味の「イ~サヨイシ~ ヨイトマカナ~」という威勢の良いかけ声とともに街を練り歩く。大市~中市~米屋町~道場門前~西門前~黄金町~山口駅通りを経て、3時に天神通りのお旅所に到着。天神さまのご神体を載せたお綱代の前で祭典を行い、獅子舞、稚児舞、長持唄を披露。4時に古熊神社拝殿前に帰着する際には、50段の石段を一気に駆け上がる。最後に「お福わけ」として、もちまきを行う。
山口天神祭は、装束や御神幸用具などを毎年少しずつ新調しながら、昔の行列をより忠実に再現してきたが、今年は、花神子と官女2人を乗せる御神幸行列の中心的存在「御所車」を100年ぶりに復元した。これまで使用していた御所車は老朽化が激しく危険なため、京都の専門店へ新調を依頼。車に載せる台座部分は、今年小拝司を務める白岩さんが営む白岩工務店が担当した。新しくなった御所車は、全長5・6㍍、幅2・4㍍、高さ2・7㍍、車輪の直径は約1・5㍍と、以前のものよりわずかに大きめ。ひさご(ヒョウタン)をかたどった車輪の模様や色彩も復元された。
また、古熊神社では、午前10時から市内小中学生剣道大会と市内中学生奉納相撲大会が、午後1時からチビッコすもう大会が行われる。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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