サンデー山口

３公共施設の指定管理者に
　「新たな雇用を創出しよう」「地域問題解決型のビジネスを」――20日、道場門前の起業家支援施設「起業シティ・レッツ」に拠点を置く若き経営者らが集結し、12の法人や団体を統括する「地域維新グループ」（?９０１－７８１８）を設立。行政との連携を一つの柱に、地域活性化の一翼を担い始めた。グループの傘下で、先月誕生したばかりの二つの中間法人は、県内公共施設の指定管理者にも選定された。パワーに満ちた若者たちは、個々の特性を生かした協力体制の下、無限の可能性に挑戦する。

　地域維新グループを取り仕切るのは、ＮＰＯ法人学生耕作隊元理事長の近藤紀子代表、有限会社ネットアイ元社長の金子愛マネジャー、ＮＰＯ法人ペイフォワード元理事長の守分梨恵マネジャーの３人。いずれも山口大学出身で、５年前に同施設で起業。山口における学生起業家の草分けでもある。
　個々に全く違った事業を展開してきた３人の経営者は昨年、コミュニティービジネス（地域の問題解決を目指す事業）の育成を目的とした基金「地域維新ファンド」を共同で設立。また、今年３月には、近藤代表率いる学生耕作隊と金子マネジャーのネットアイとが組織間連携協定を結んだ。さらに９月、社会貢献を重視する起業家たちのネットワーク、ＳＶＮジャパン主催の山口会議を運営し、同施設に入居する若者とともに山口とアジアをつなぐ新たなビジネスの方策を探った。
　「ベンチャー・コミュニティービジネスの総括組織を起こそうという話が持ち上がったのは２カ月前のこと。“地域に貢献したい”という共通の思いを持つ団体が互いに手を取れば、これまで挑戦できなかった大きな事業にも乗り出せる」と近藤代表。設立を具体化させたのが、県が来年度から採用する「指定管理者制度」へのチャレンジだった。同制度は、住民サービスの向上と経費縮減を目的に、公共施設の運営を民間委託するというもの。彼女たちは地域維新グループ第１弾の事業として、指定管理者に申請するための二つの中間法人「やまぐち青年の家ネット」「やまぐち里山文化研究所」の設立資金、各３００万円を地域維新ファンドから出資。県の選考の結果、山口青年の家ネットが「大島青年の家」と「萩青年の家」、やまぐち里山文化研究所が「21世紀の森」の優先交渉権を獲得した。「施設運営にあたっては、ムダな部分を見直し、新たな雇用を生み、ゆくゆくは独立採算に持っていく。今後もさまざまな共同プロジェクトに取り組み、地域課題を解消していきたい」と金子マネジャーは話している。
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　構成団体・代表者は次の通り。　　（順不同）
　【地域維新ファンド】近藤紀子（25）【ＮＰＯ法人学生耕作隊】齋藤祐子（22）【中間法人やまぐち青年の家ネット大島青年の家】小池良太（21）【中間法人やまぐち青年の家ネット萩青年の家】吉村玲子（49）【中間法人やまぐち里山文化研究所＆21世紀の森】小池太郎（25）【有限会社ネットアイ】増井智洋（23）【第３世界ショップアサンテサーナやまぐち】山本あい（21）【ＳＶＮやまぐち】城一聡子（23）【ソーシャルベンチャーキャンパス大学院講座】金子愛（24）【ＷＷＢジャパンやまぐち】正留多枝子（20）【ＮＰＯ法人ペイフォワード】貴田健史（19）【ＮＰＯ法人きららの里】西山美貴（30）