サンデー山口

　子どもを狙った犯罪が多発する中、ボタン一つで１１０番通報ができる非常通報システムの取り付けが、旧山口市立の18小学校で進められている。不審者の侵入対策として、市と市教委が実施する今年度事業。３月中にすべての工事を完了し、運用を始める。

　このシステムは、学校施設の安全対策の一環で市が導入。年度当初は旧市立幼稚園と保育園16園を対象にした事業だったが、小学校についても引き続き設置を進めることにした。９月の補正予算に事業費１７４０万円を計上し、12月に工事を開始。順次取り付けを行っている。
　設備の内容は、非常時に校内各所に設置されているボタンを押すと、直接県警に１１０番通報が入るというもの。県警は直ちに当該学校に連絡を入れ、現場の状況を把握する。
　設置工事をほぼ終えた市立大殿小学校（山根和夫校長、５７１人）には、校舎および体育館に計20個の押ボタンが取り付けられた。学校側は「非常時に迅速に対応できる装置があることで、さらに安心して学校生活を送れるようになる。誤報を出すことがないよう、子どもたちにもよく指導していく」と話している。押ボタンの設置数は、各学校の規模に応じてまちまちになる。
　なお、小郡、秋穂、阿知須、徳地地域の小学校については、防犯カメラの設置や警備員の配置など、旧町時代に引き続いて独自の対応を行っており、同システムの導入については現在検討中という。