2006年02月12日
合併後の行方 地域の主要事業は…

05年10月の県央部合併で誕生した新・山口市の初年度が終わりに近づいた。旧1市4町でスタートした4月は、各自治体それぞれに特色ある事業を計画。今年度のものについては、合併後も基本的に当初の予定通り行うことが確認されているが、まだ完了していない事業は現在どうなっているのだろうか。旧自治体の主要施策に挙がっていた内容について取材した。
縄田地区の民家再生 阿知須
かつて回船業の港町として栄えた縄田地区に、当時の面影を色濃く残す「居蔵造り」の代表的な民家「中川邸」。04年12月に旧阿知須町に寄贈され、国のまちづくり交付金を受けて昨年9月に保存再生工事に着手した。主な工事内容は、傷みの激しい個所の補修と外観の再生で、現在は木造2階建て約220平方㍍の母屋、納屋、蔵、塀を整備中。建物に面した路地の再舗装も年度内に実施する。敷地面積1140平方㍍、総事業費は8千万円。
ただし、整備完了後の利活用法はまだ決まっておらず、教育委員会を中心に検討中。また、事業計画の中にはあるものの、予算不足で整備に至らない庭園については、08年度以降の事業として取り組みたい考え。
新図書館の建設 小郡
町文化資料館裏側の駐車場約2600平方㍍を敷地に、今年度から建設事業に着手するはずだった小郡の新図書館。建設に伴い、3月までに駐車場入口に設置されているSLを撤去することになっていたが、合併を受けて計画が再審議されることになり、SL撤去も今年度は見送りとなった。旧小郡町では03年7月に町長の諮問機関・新図書館建設検討委員会を発足し、04年5月に基本構想を作成。合併までに用地取得を済ませ、08年4月の開館を目指していた。市教育委員会では、06年度に入ってから既存の事業計画を再点検し、当初の予定になるべく沿った形で早期に着手したいという。
地域交流センター 秋穂
旧秋穂町は今年度当初予算で、公民館、図書館、体育館を備えた複合施設・地域交流センターの建設について土地の調査と取得にかかる費用2億6500万円を計上。合併後の05年12月議会を経て約3万平方㍍の用地を1億9千万円で取得した。場所は桜団地の北側、防府消防署秋穂出張所そば。06年度中に土地の造成と施設全体の設計を行う予定になっている。事業そのものは予定通り進んでいるが、施設計画の中身についてはこれから再検討される。
県道山口・秋穂線の新設に伴う立ち退きで、秋穂公民館は04年から秋穂中学校校舎内に間借り中。公民館施設として供用しているのは空き教室と体育館2階のミーティングルームで、不便な状態が続いている。
また、これまで秋穂には独立した図書館がなく、職員が配置されていない図書室(102平方㍍)が図書ボランティアの協力で開設されているのみ。図書館建設は住民の長年の望みでもある。
各地区の拠点施設 徳地
旧徳地町は、地域振興策として02年に「徳地町中核都市建設プラン」を策定。03年に基本計画を立て、柚野、串、出雲、島地、八坂の地区ごとに拠点施設を整備する事業に乗り出した。まず04年、柚野地区にコミュニティー施設・地域活性化センターがオープン。続いて今年度中に、元串小学校跡地に串地区の拠点施設が完成する。4月に同施設に移転する串出張所、公民館、診療所を中心とした複合施設だ。
残る3地区への施設整備はこれからの事業だが、予定通りに行けば06年度は島地地区になる。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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