2006年05月03日
亀山公園 山頂広場の輝きを取り戻そう

公園はどのように再生させるべき? 人影まばらな中心地の公園
亀山公園山頂広場の利用者の少なさを懸念する声が広がっている。山口県立美術館をはじめ多くの施設に囲まれ、パークロード周辺を散歩コースとして利用する人、サビエル記念聖堂に訪れる観光客など、周囲の人の流れは活発。街の中心地にあり、ほとんどの市民に知られている公園なのになぜ、人は訪れなくなってしまったのだろうか?
現在の山頂広場は、周囲に多くの樹木が生い茂り、瑠璃光寺、八坂神社、中市などの限られた方面しか見ることができない。高台にあるという魅力が生かされておらず、平地にある公園と何ら変わらないために、長い石段をわざわざ上って広場まで行こうとする人は少ない。気候の良いこの時期、たとえ天気が良くても人影がまばらというのが現状だ。
散策で周辺をよく訪れるという市内の医師坂本強さん(78)は、こうした状況を懸念し、市の将来の発展までを見据えた公園の再生構想を描いている。簡易な伐採だけにせず、広範囲の視界を確保することで、市民の憩いの場としてだけでなく、そこから放射線状に見える市内観光地の案内拠点にしたいという内容だ。
ツツジやサクラなどの植樹や、利用しやすい通路づくりなど、ハード面に関しては具体例まで考えている坂本さんは「賛同者で基金を作れば、継続的な整備のために予算確保も可能。公園の再生だけでなく、観光都市としての発展のきっかけを作りたい」と話す。
一方、同公園を管理する市都市計画課も現在の状況は把握しており、「老朽化した設備の補修も含めて、少しずつでも整備に着手していきたい」と話している。さっそく、連休明けには樹木の剪定が行われ、瑠璃光寺や八坂神社方面にかけての眺望が改善される予定。また、企画経営課が、3月1日付の市報で「市がめざすまちの姿」をテーマに呼びかけた意見募集に対しては、亀山公園再生についての意見も寄せられている。同公園が秘める魅力を知る人は決して少なくない。
1900年に誕生した同公園。当時はどの方向にも広く市内が見渡せたことで、多くの市民や観光客に愛され、その役割を十分に果たしていた。かつての公園機能を取り戻すためには行政に一任するのではなく、坂本さんのように、郷土を愛する市民の力を集結し取り組んでいくことも必要。今後の経過が注目される。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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