2006年06月04日
空き店舗や空き家で防犯対策

~地域からの情報提供も呼びかけ~ 地域と連携して対応強化
4月に岐阜県中津川市で発生した、女子中学生が交友関係にあった高校1年生に殺害されるという痛ましい事件は、空き店舗などの無人施設に対する防犯対策という課題を、各地の警察、学校、自治体などに再認識させた。事件を重く見た山口県警では、同様の無人施設の調査を実施し、小さなものについても対応を急いでいる。今後は、民間の防犯活動との連携を深め、より細かな部分まで対応を進めていく。
岐阜県で起きた今回の少年犯罪は、日ごろから少年たちが侵入し、遊び場として使っていた空き店舗内が事件現場になったということに注目が集まり、若年層の防犯対策で新たな懸念が生じた。 県警は、空き店舗で規模の大きなものを県内で64件、うち山口市内では10件を把握。遊技、保養、スーパーなどの施設として使われていたものがほとんどで、以前から管理者、消防署などと協力して防犯に努めてきたが、今回の事件を受け、あらためて各物件の防犯状況についての調査を徹底的に行った。内容は、建物の施錠状況の確認や敷地内で若者がたむろしていないか、子どもの遊び場になっていないかなどの情報収集が中心。敷地内に人が出入りしている様子が報告されたものは、警察による定期的な巡回を強化することとし、すでに実施している。
このほか、多くの物件では立ち入り禁止の掲示があり、建物入り口もしっかりと施錠されていたが、4件(うち市内で1件)についてはガラスや壁などの設備で破損が見つかった。内部に人が侵入するおそれがあるため、管理者に対して早急な改善指示を行っている。管理者・所有者が不明な物件については、行政の協力を得て警察が臨時の管理措置をとることで対応。また、大型の空き店舗以外でも、管理・所有者がはっきりしているもの、住民から情報が寄せられているものなどについては同様の防犯対策を進めている。
しかし、小さな店舗、管理者などが不明な施設、民家などを含めると、空き店舗、空き家はかなりの数にのぼり、警察だけでは把握が難しいという。市教育委員会も事件発生後、生徒や児童がこうした施設などに立ち入らないよう各学校に対して指導の徹底を要請している。また、県内のほとんどの小学校区では、危険個所を記載したマップを独自に作成し配布を進めているが、地域内の空き施設をあらためて調査し、要注意の場所として追加する動きも増えている。
保護者や住民の協力で地域の防犯対策が強化されていることを受け、県警察本部生活安全企画課(TEL083-933-0110)では、こうした民間の活動と連携した防犯対策を進めていくことが今後重要になるとしている。同課の松井源輝さんは、「地域の人からの情報に頼る部分も大きい。空き店舗などで子どもの出入りや、夜間に人がいるような様子を見かけたらすぐに最寄りの警察署まで知らせて欲しい」と呼びかけている。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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