サンデー山口

取り締まり強化　運送業者は対応に苦慮

　改正道路交通法の施行を受け、６月１日以降市内でも、重点区域の湯田温泉街と駅通りを中心に警察による取り締まりが強化されている。タクシー乗り場が設けられた湯田の県道２０４号線沿いに比べ、駐車スペースを確保しにくい駅通りには課題が山積。徹底したパトロールで駐停車は減ったものの、路上で日常的に貨物の積み降ろしを行っていた運送業者らは対応に頭を痛めている。

　中心商店街を貫き、沿線にさまざまな店舗が所狭しと立ち並ぶ駅通り。区間は全て駐車禁止の規制が敷かれているが、買い物客や業者などが路肩に車両を止めて車の流れを阻害し、渋滞を引き起こすこともしばしばだった。今回の法改正に併せ山口警察署は、迷惑駐車が特に多い県道２０４号線と駅通りを重点区域に指定。１日からパトロールの回数を増やし、短時間の駐車も厳しく取り締まるようになった。
　効果は早速表れ、以前よく目にした道路脇の車両の列はすっかり影をひそめた。停車する車も、駐車違反にならないよう５分以内には動き出すようになり、通りを走る自動車の流れは円滑だ。「巡回の警官に敏感に反応し、停車中の車両は自らすみやかに車を移動するようになった。現在は実態把握の段階でもあり、状況を分析して今後の取り締まりの方向を考えたい」と同署交通課。目的はあくまでも交通秩序の回復で、それが交通事故の減少にもつながると強調する。
　一方で、貨物を集配する業者にとって取り締まりの厳格化は死活問題。２人１組で業務にあたり、１人が荷物の積み下ろしをする間もう１人が車に待機したり、少し離れた駐車場にトラックを止めて台車で荷物を運ぶ姿も見られる。いずれにしても業者にとっては非効率で、コスト負担増も免れられない。
　物流コストの増加が運送料にはね返ることはそうすぐにはないにせよ、今後さまざまな課題が浮上しそうだ。通りに専用の荷下ろし場はなく、有料駐車場を使うにしても大型の集配トラックを止めるスペースの確保は容易ではない。地域の実情に応じた、次なる対応策が望まれる。