サンデー山口

　あす13日午後６時半ごろから、秋穂二島のシンボルでもある朝日山真照院の参道が約１５００個の灯明で照らされる。これは、先祖の霊をお迎えしようと同寺の副住職・臼井祐真さんや檀家、地元住民らが「朝日山千燈夜」と名付けて昨年始めた盆行事。今年は高さ３㍍の巨大ちょうちんや竹燈籠なども飾ることにしており、臼井さんは「地区外からも多くの人に来てもらい、二島での幻想的な夜を味わってほしい」と呼びかけている。

　臼井さんらは昨年、「盆に大きな行事がないのはさみしい」と千燈夜を企画。昔、現在の真照院が千光院のあった場所にあることから、その“千”にちなんで千個の灯明をともそうと考えた。初めての試みだった昨年、住民有志でろうそくを入れる竹筒を制作。その周りを覆う紙には、幼稚園や小学校の子どもをはじめ、寺を訪れた人たちに先祖への思いや祈願を書いてもらった。当初の不安をよそに、当日は地区内外から予想をはるかに上回る５００人以上の人が訪れ、「来年も期待していますよ」という声も多く聞かれるなど、大成功に終わった。
　そこで、今年は千燈夜をパワーアップさせようと灯明を１５００個に増やして真照院へと続く参道の階段や境内に並べ、朝日山の入口には高さ約３㍍の巨大ちょうちんを飾ることに。また、山の中腹には灯明で「千」という字を浮かび上がらせるほか、高さ約２㍍の竹燈籠も30個以上作って各所に設置するなど、山全体を明るくともそうと考えている。
　あすは、午後７時半から本堂でお盆の法要を実施。本堂で申し込みをすれば、自分の思いを書いた灯明を境内に並べることができる（無料）。
　なお臼井さんの呼びかけで、昨年から秋穂の福楽寺も境内に１２０個近い灯明を並べており、「このように賛同してくれる人が増えることはとてもうれしい。地区にあるお寺や各家庭の庭先にも迎え火が広がり、いずれは地域全体に明かりがともされれば」と臼井さんは期待している。