2006年08月29日
どうなる? 川端市場・公設市場
中心市街地活性化の期待を担って
市 地元住民と協議中 年内にも計画案提出
“市民の台所”として長年庶民の食卓を支えてきた中河原の「山口川端市場」(松西恭英理事長)と「山口公設市場」(小倉唯巧理事長)。近年では両市場とも景気の低迷やスーパーマーケットの進出で衰退が進み、加えて建物の老朽化や手狭な駐車場などの問題を多く抱えている。大阪でいう黒門、名古屋の柳橋、下関の唐戸など、市場を街の観光の目玉として活性化させている都市は多い。市、地元商店会が市場自体を今後どのように存続、発展させていくのか、現段階での動向を取材した。
青果や野菜などの専門店14店舗が並ぶ公設市場と、鮮魚をはじめ精肉、生鮮食品の専門店16店舗が入居する川端市場は、戦後の物資が乏しい時代から市民の食卓を支えてきた。1960年に山口国体の開催が決まり、幹線道路の整備が始まったことから公設市場は62年に今の川端市場がある場所から移転。川端市場は、一の坂川の御局橋から御茶屋橋までの川筋に軒を連ねていたが、63年に現在の場所にまとまって移転した。1階が集合市場、上部は市営アパートという形状は当時画期的で、ハイテクを駆使した街のシンボルとして大いににぎわったという。
しかし、近年は相次ぐスーパーの進出で、客足も次第に遠のき、撤退する店舗も出てきた。さらに、築50年を超える建物は老朽化が著しく、駐車場が手狭なため集客に影響を及ぼしている。
このような状況の中、99年に市が打ち出した「山口市中心市街地活性化基本計画」の中で、移転・再建の動きが持ち上がり、地元と行政が話し合いを開始。一時は、旧山口銀行山口支店跡地(現中市第2駐車場)に1階が店舗、2・3階が駐車場、4階から上がアパートの建物を新設する計画が固まった。しかし、1市4町の合併により新たに「山口市総合計画」を策定したことで、地域全体の総合的な都市計画の変更を余儀なくされ、決定は先送りに。現場で働く商店主たちは大きな不安を抱える日が続く。
一方市は、4月から都市計画課内に中心市街地活性化推進室を立ち上げ、本格的に同地区の再開発検討に着手。これまで両市場の組合、中市商店街振興組合などと話し合いを持ち、今年中に、当所計画にあった山口銀行跡地への移設や駐車場の新設を視野に入れた具体案を決定する予定だ。また、市の計画と連動して「人美響のまちづくり推進会議」を中心に、観光拠点としての中心市街地づくりに取り組んでいる山口商工会議所も両市場の存続と活性化を後押し。「一の坂川の河川整備やアルビ跡地開発問題など中市連結ゾーンの活性化に伝統ある市場を生かさない手はない。地元にも観光客にも愛される街づくりの担い手になって欲しい」と期待を寄せる。
現場サイドも現在の困難な状況に負けることなく、独自サービスの提供に向けて尽力。松西理事長は「昔ながらの対面販売で商品に真心を込めている。また、いまだに卸売市場と混同され一般の人が利用できないという認識があるが、積極的にイベントなどを開催し、広報活動にも力を入れていきたい」と話す。小倉理事長も「温かい営業が売りもの」と口をそろえる。20年以上同市場を利用している後河原の主婦上原幸枝さんも「パック売りではなく、元の魚の形がわかることがうれしい。旬や調理の方法まで丁寧に教えてくれるのも魅力です」と応援する。
客寄せに現場も奮闘
川端市場夏の大抽選会
川端市場は、8月5日(土)午前9時から午後3時までオリジナルイベント「川端市場夏の大抽選会」を開催する。
停滞する市場に活気を呼び戻そうと一致団結する組合は、「山口のリトル築地に」を合い言葉に春、夏、秋、冬の季節ごとのイベントを企画。若い客層も獲得しようと奮闘している。これまでは、05年12月にフク鍋100食を無料で振る舞う「フク鍋祭」を、06年4月には「春のさくら祭り」と題して、16の店舗が持ち寄った商品を景品とした抽選会を行ってきた。
第3弾となる今回は、販促をねらいとした抽選会。各店舗で500円以上購入するとクジを引けるというものだ。景品には、全店共通の5千円分買い物券や、各店が自信を持って出品する鮮魚、見島のスイカ、花火セットなどで、空クジはない。そのほか各店が「一店逸品」と銘打った自慢の商品を特価で販売する。
なお、同市場では、店舗ごとに、市営駐車場の駐車券と中市第2駐車場などで使える共通駐車券も発行している。
市 地元住民と協議中 年内にも計画案提出
“市民の台所”として長年庶民の食卓を支えてきた中河原の「山口川端市場」(松西恭英理事長)と「山口公設市場」(小倉唯巧理事長)。近年では両市場とも景気の低迷やスーパーマーケットの進出で衰退が進み、加えて建物の老朽化や手狭な駐車場などの問題を多く抱えている。大阪でいう黒門、名古屋の柳橋、下関の唐戸など、市場を街の観光の目玉として活性化させている都市は多い。市、地元商店会が市場自体を今後どのように存続、発展させていくのか、現段階での動向を取材した。
青果や野菜などの専門店14店舗が並ぶ公設市場と、鮮魚をはじめ精肉、生鮮食品の専門店16店舗が入居する川端市場は、戦後の物資が乏しい時代から市民の食卓を支えてきた。1960年に山口国体の開催が決まり、幹線道路の整備が始まったことから公設市場は62年に今の川端市場がある場所から移転。川端市場は、一の坂川の御局橋から御茶屋橋までの川筋に軒を連ねていたが、63年に現在の場所にまとまって移転した。1階が集合市場、上部は市営アパートという形状は当時画期的で、ハイテクを駆使した街のシンボルとして大いににぎわったという。
しかし、近年は相次ぐスーパーの進出で、客足も次第に遠のき、撤退する店舗も出てきた。さらに、築50年を超える建物は老朽化が著しく、駐車場が手狭なため集客に影響を及ぼしている。
このような状況の中、99年に市が打ち出した「山口市中心市街地活性化基本計画」の中で、移転・再建の動きが持ち上がり、地元と行政が話し合いを開始。一時は、旧山口銀行山口支店跡地(現中市第2駐車場)に1階が店舗、2・3階が駐車場、4階から上がアパートの建物を新設する計画が固まった。しかし、1市4町の合併により新たに「山口市総合計画」を策定したことで、地域全体の総合的な都市計画の変更を余儀なくされ、決定は先送りに。現場で働く商店主たちは大きな不安を抱える日が続く。
一方市は、4月から都市計画課内に中心市街地活性化推進室を立ち上げ、本格的に同地区の再開発検討に着手。これまで両市場の組合、中市商店街振興組合などと話し合いを持ち、今年中に、当所計画にあった山口銀行跡地への移設や駐車場の新設を視野に入れた具体案を決定する予定だ。また、市の計画と連動して「人美響のまちづくり推進会議」を中心に、観光拠点としての中心市街地づくりに取り組んでいる山口商工会議所も両市場の存続と活性化を後押し。「一の坂川の河川整備やアルビ跡地開発問題など中市連結ゾーンの活性化に伝統ある市場を生かさない手はない。地元にも観光客にも愛される街づくりの担い手になって欲しい」と期待を寄せる。
現場サイドも現在の困難な状況に負けることなく、独自サービスの提供に向けて尽力。松西理事長は「昔ながらの対面販売で商品に真心を込めている。また、いまだに卸売市場と混同され一般の人が利用できないという認識があるが、積極的にイベントなどを開催し、広報活動にも力を入れていきたい」と話す。小倉理事長も「温かい営業が売りもの」と口をそろえる。20年以上同市場を利用している後河原の主婦上原幸枝さんも「パック売りではなく、元の魚の形がわかることがうれしい。旬や調理の方法まで丁寧に教えてくれるのも魅力です」と応援する。
客寄せに現場も奮闘
川端市場夏の大抽選会
川端市場は、8月5日(土)午前9時から午後3時までオリジナルイベント「川端市場夏の大抽選会」を開催する。
停滞する市場に活気を呼び戻そうと一致団結する組合は、「山口のリトル築地に」を合い言葉に春、夏、秋、冬の季節ごとのイベントを企画。若い客層も獲得しようと奮闘している。これまでは、05年12月にフク鍋100食を無料で振る舞う「フク鍋祭」を、06年4月には「春のさくら祭り」と題して、16の店舗が持ち寄った商品を景品とした抽選会を行ってきた。
第3弾となる今回は、販促をねらいとした抽選会。各店舗で500円以上購入するとクジを引けるというものだ。景品には、全店共通の5千円分買い物券や、各店が自信を持って出品する鮮魚、見島のスイカ、花火セットなどで、空クジはない。そのほか各店が「一店逸品」と銘打った自慢の商品を特価で販売する。
なお、同市場では、店舗ごとに、市営駐車場の駐車券と中市第2駐車場などで使える共通駐車券も発行している。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
│ニュース