2006年09月22日
終わらない夢 傘寿を記念 佐々木克己展

あす23日と24日の2日間、中河原町のC・S赤れんがで「佐々木克己展~生涯学習」が開かれる。約60年間、趣味で日本画、陶芸、デザインなどさまざまな分野の創作活動を続けている石観音町の佐々木さんが、傘寿を迎え、80年間生きてきた証のひとつとして企画。これまでの創作品、6分野・約100点が展示される。
本当は絵描きになりたかったという佐々木さん。本格的な創作活動は46年に山口県庁に就職してから。余暇活動として日本画家の吹田宏二さんに師事、日本画の勉強を始めたのが最初となる。2年後には県美術展で初入選を果たした。
このことがきっかけで50年に県庁の広報関係の業務を任されるようになり、以来約25年間「県政だより」や「グラフ山口」などの制作を担当する。「県政だより」は毎月1回約10年間発行、市町村の役場などに掲示していたB2判程のポスター(壁新聞)で、イラスト、文章など原稿は、佐々木さんの手書きだった。ここから発展した創作活動が、デザインと写真である。行政PRのためのポスターで上品なデザインが望まれ、自分の自由な発想を表現したいというジレンマの解消につながった。
54年にはアマチュア無線を始める。真空管送受信機を自作、全国47都道府県との交信に成功した。今年になって、アマチュア無線の専門誌で「よみがえる熱球807」という当時の部品(送信出力管)の特集を見た佐々木さん。その「熱球807」を使って、母校県立山口中学校(現山口高校)の応援歌「熱球」をどうしても聞いてみたくなり、実際にアンプを製作、現実にした。
次に始めた趣味が61年からの蝶である。おいの昆虫採集に付き合ったのがそもそものきっかけ。県内の蝶の分布について興味を持ち、野山を歩き回った。その調査結果は個人の興味の範囲を超え、多数の専門誌に寄稿、テレビなどにも出演した。家の庭には、蝶が寄って来るようにサンショやホトトギスといった蝶の食樹食草が植えられている。
66年には六つ目の創作活動となる陶芸(楽焼)に挑戦。日本画やデザインなど平面的な芸術だけではなく、立体的な芸術の世界にも足を踏み入れる。独自で窯を考案し、その日その瞬間にしかできない作品に魅力を感じ作り続け、県美術展などに入選、97年には個展も開いた。いい作品ができた時には、奥さんがそれを入れる袋(仕覆)を作ってくれるという楽しみもある。
佐々木さんは「これらの趣味のおかげでたくさんの友人ができ、それが一番の財産になっている。支えてくれた仲間や家族に感謝したい」と話す。また「今回の個展のテーマは『生涯学習』。次は米寿を記念した個展が開けるよう精進したい」と元県庁広報マンらしくPRも忘れていない。
問い合わせは、佐々木さん(TEL083-922-7424)へ。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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