2006年10月29日
県立美術館で特別企画展 「雪舟への旅」

11月1日~7日は観覧無料
第21回国民文化祭・やまぐち2006特別企画展「雪舟への旅」が、11月1日(水)から30日(木)まで、亀山町の県立美術館(TEL083-925-7788)で開催される。没後500年といわれる今年、日本を代表する画家・雪舟の才能が山口の地でいかに花開いたのか、国宝全6点を含む61点(一部展示替えあり)で紹介する。79年の同館開館以来、雪舟そのものを取り上げる展覧会は初めてだ。
岡山に生まれた雪舟(1420~1506?)が大志を抱いて京都に上り、新たな夢を求めて山口にやって来たのは30代半ば。大内氏の保護を受けて当時の先進国・明(中国)にわたり、ここで独自の画風を確立。帰国後は山口を中心に諸国を巡り、斬新な作品で名声を得た。今回の企画展では、その強い意志を感じさせる線、大胆な構図、澄み切った色彩感覚が刻印された雪舟の国宝全6点を含む61点を、7章に分けて紹介する。
第1章「山口にいた雪舟」では雲谷派の画家が写した雪舟の自画像など4点を紹介。第2章「これが雪舟だ」では、花鳥画の屏風「四季花鳥図屏風」に加え、国宝・山水画の巻物「四季山水図巻」や人物画の掛け軸「慧可断臂図」、80歳を超えた最晩年に制作した掛け軸「天橋立図」などの大作を展示する。
第3章「雪舟、変身」では、「拙宗」と名乗っていた若い時期の作品から、中国に渡ってから描いた作品を中心に紹介。入明によって力強く変化する描線が見どころだ。第4章「西へ東へ」は、雪舟の芸術における大きな展開期でもある、中国から帰国後の作品。彼の絵には珍しい曲線的な柔らかい筆致で描かれた「倣高克恭山水図巻」や大和絵風の肖像画「益田兼堯像」、実景を対象にしてスケッチ風に描かれた「山寺図模本」などを展示する。
第5章「天開図画楼」では「四季山水図」と、雪舟がこの絵を描く際に参考にしたと考えられる中国絵画を並べて紹介。第6章「雪舟、逝く」では、雪舟の没後、友人の了庵桂悟が賛を記した作品を、第7章「雪舟を継ぐ者たち」では雲谷等顔、等益、等爾ら桃山時代から江戸時代初期の雲谷派の画家がいかに雪舟画風を受け継ぎ、発展させていったのかを紹介する。
同館の松原清館長は「今から約500年前、雪舟という人物は実際にこの山口という地を歩き、風景を見て絵を描いていた。普段なかなか実感がわかないが、この機会に作品を見て、雪舟を身近に感じてほしい」と話している。
観覧料は一般1300円(前売り1100円)、学生1100円(同900円)、70歳以上と18歳以下および盲・ろう・養護学校生は無料。前売り券は、JTB各支店、JR西日本の主な駅のみどりの窓口などで販売。JR新山口駅では8日~12日までの毎日と会期中の土日に、臨時の販売コーナーを構内に設ける。なお、教育文化週間の1日から7日まではすべての人が無料となる。休館は15日(水)のみ、開館時間は午前9時から午後7時。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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