サンデー山口

06年10～12月期「３期ぶりに改善」
　財務省山口財務事務所（ＴＥＬ083-922-2190）は、06年11月末に行った県内景気予測調査の結果をこのほど発表した。県内の経営者などに、企業活動の現状と先行き見通しを聞いたもの。景況感の現状判断は前回の「下降」超幅拡大から、「上昇」「下降」がきっ抗した状態まで回復し、３期ぶりに改善。さらに来期（07年１～３月）も「上昇」超になる見通しだ。

　山口財務事務所の景気予測調査は、資本金１千万円以上の県内法人企業（電気・ガス、金融・保険は１億円以上）を対象に４半期ごとに実施している。今回は今期（06年10月～12月）の現状、翌期（07年１月～３月）と翌々期（４月～６月）の見通しの３期について判断を求めた。１１４社に対して実施し、１０９社から回答があった。
　全体の景況判断を見ると、今期が前期に比べ「上昇した」と答えた企業は17・４％で、逆に「下降」と答えた企業も17・４％ときっ抗した。ＢＳＩ（「上昇」と答えた企業割合から「下降」と答えた企業割合を引いた数値）は０・０ポイント。「下降」超幅拡大が続き、前回８月の調査時にはマイナス９・２ポイントまで落ち込んでいたが、３期ぶりに回復した。しかし、前回調査時の今期予測は12・８ポイントだったため、それからは大幅な下方修正となった。製造業は、金属製品、窯業、土石などで悪化し２・３ポイント「下降」超に。非製造業は、主にリース産業の好調により、前回のマイナス14・９ポイントから１・７ポイントにまで回復した。
　先行きについて、翌期のＢＳＩ予測は７・３ポイント「上昇」超になるものの、翌々期には２・８ポイントの「下降」超と悪化する見通しだ。景気判断の決定要因については、「国内需要の動向」や「販売価格の動向」という回答が多かった。
　次に売上高（回答：電気・ガス、金融・保険を除く88社）については、06年度下期も上期の前年同期比16・２％増収に続き、９・４％増収の見込み。石油、化学産業の販売価格上昇により製造業で８・４％増収となったほか、不動産販売が好調で非製造業も15・６％増収になる見通しだ。一方、06年度下期の経常利益（回答：同87社）は、前年同期比５・３％の増益見込み。製造業で２・６％増益、好調な不動産販売に加え、飲食店や宿泊業などで仕入れ価格のコストダウン効果が表れた非製造業では、28・１％増益となる見通しだ。
　06年の設備投資（96社の回答）状況は、全産業で前年度比28・３％の増加見込み。製造業では35・５％増加し、非製造業では０・４％増加する見通しとなっている。