2007年03月17日
嘉川・棟久明博さんの挑戦「自転車ロードレースは人生」

普及目指し、クラブチーム結成
日本ではまだマイナーな自転車競技。しかし、ヨーロッパでは、サッカーに次ぐ人気スポーツともいえる。その競技種目の一つ、ロードレースを山口で普及させたいと、昨年アフリカ・ブルキナファソの国際ロードレース大会に参戦した棟久明博さん(29、嘉川)が、全日本実業団自転車競技連盟の登録クラブチーム「エスペランススタージュ」を発足させた。
「ロードレースは人生のようなもの」とその魅力を語る棟久さん。「長いレース中は、山あり谷あり。集団から早く抜け出したからといって成功するわけでもなく、瞬間を見極めて前へ進んでいかなければならない。守っていては絶対に勝てない自力勝負の世界」
愛知県の中部大学時代に本格的にロードレースを始めたという棟久さん。04年、本場のノウハウを学ぼうとフランス・ノルマンディー地方へ留学し、地元のクラブチームに所属してレース経験を積んだ。
帰国後、日本でははやらないと言われているロードレースを普及させたいと、地元山口に帰り、05年に阿知須の県立きららスポーツ交流公園で「自転車ロードレース大会」を企画。約10年ぶりに山口県で開かれる大会となり、約50人の人が参加した。その後も県自転車競技連盟の主催で、毎年春と秋に開催。本場の経験を生かして、より本格的な運営を心がけてきたところ、広島や福岡からの参加者も増え、4回目となった昨年秋の大会には150人もの選手が出場した。
大会を企画・運営する傍ら、関東の全日本実業団自転車競技連盟登録のクラブチームに入り、山口県選手として初出場となる国内最高峰自転車ロードレース大会「ツアーオブジャパン」「ツールド沖縄」などに参戦。02年の高知国体からは5年連続で県代表として国体選手にも選抜されている。そして、昨年10月、アフリカ・ブルキナファソの国際ロードレース大会に、日本選抜チームとして参戦。ヨーロッパ・中東・アフリカ諸国の強豪選手がそろう中、完走を果たした。
このアフリカでのレース経験が今回山口でチームを立ち上げるきっかけとなったという棟久さん。「地球上で最も貧しい国の一つと言われるブルキナファソの選手たちが、日本では20年前に使っていたような車重11㌔のぼろぼろの自転車で、本場ヨーロッパの選手に果敢に立ち向かう姿に心動かされるものがあった」という。豊かすぎる日本のサイクリストが忘れてしまっていることを、レースを通して伝えていきたい、また愛好者を増やす意味でも受け皿がなければ始まらないと、海外レース遠征の経験者らに呼びかけ、16人でクラブチーム「エスペランススタージュ」を結成。今後、実業団の大会をはじめ、フランスやアフリカでのレースにも挑戦していくという。「自転車競技というすばらしいスポーツを多くの人に知ってもらい、一緒に世界を走りたい」と棟久さんは笑顔で話す。
問い合わせは、棟久さん(giro@d9.dion.ne.jp)へ。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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