2007年05月19日
大内でブルーベリーを生産 生産部会を設立し、本格始動
JA山口中央はこれまで、大内地区でイチゴの生産に力を入れてきたが、生産者の高齢化などを理由に収穫量が減少。イチゴに代わる特産品を作ろうと、4年前からブルーベリーの栽培を行っており、今年から本格的な収穫を開始する。それに伴い、県内初となる、JAを事務局とするブルーベリー生産部会も設立。JA山口中央北部営農センターの河村武志さんは「大内地区の新たな特産物にしたい」と話している。
大内地区は市内一のイチゴ栽培面積を誇り、JA山口中央では地元の特産品として販売を行ってきた。しかし、近年では生産者の高齢化などで収穫量が減少。また、イチゴの栽培は県内各地で行われているため、特産品としての印象も薄れていた。
そこでJA山口中央や県山口農林事務所などでは大内地区の農業振興を図るため、イチゴに代わる新しい特産品を作ることを提案。子どもから大人まで幅広い層に人気で、眼の疲労回復に効果があるなど健康にも良く、なおかつ生産があまりされていない「ブルーベリー」を栽培することを決めた。
03年4月、JA山口中央では、農作業従事者を集めて行う定例座談会でブルーベリーの栽培者を募集。集まった21人に栽培方法の講習やブルーベリー生産の先進地域への視察を実施した。
北米原産のブルーベリーは酸性の土壌で育つ低木性果樹であるため、コケを原料とした「ピートマス」を土に加えてかき混ぜ、酸性の土壌を作るところから栽培は始まった。そして準備が整った03年12月、21人の畑(計7千平方?)に6品種の苗木植えが行われた。
また、ブルーベリーは地表付近の浅い位置に根を張る、とても乾燥に弱く枯れやすい果樹のため、植えた後も細心の注意が必要で、夏場は特に頻繁に水やりを行わなくてはならない。地表を乾かさないために木片チップやおがくずを敷く方法も導入された。
4年前の栽培開始時からブルーベリーの生産をまとめてきたJA山口中央北部営農センターの河村武志さんは「何もかもが手探りの状態から始まった。弱い木なので、枯らさないように注意することも大変だったが、大内の土地に適した品種を探し出すのにも苦労した」と話す。現在では大内地区でもしっかりと成長するブルークロップやディフブルーなど、着果時期の異なる12品種、約2200本が栽培されている。なお、植樹後3年間は、木の成長を促進させるため、花や実、弱い枝をすべて落とし、果実の収穫は全く行わなかった。
そして、木が1?を超えるまでに成長した今年、4年目で初めて本格的に果実の収穫を行うこととなった。しかし、何より大変な仕事はこの収穫作業とも言われる。同じ木に成った実でも1粒ずつの成熟度が違うため、一つひとつ食べられるかを確認しながらもぎ取っていく根気と手間のかかる作業で、1?収穫するのに1時間かかることもあるそうだ。収穫時期は6月中旬から8月末までで、今年は全体で約500?の出荷を予定している。
また、これに併せて県内では初めて、JAに事務局を置く「ブルーベリー生産部会」も設立。収穫や出荷、商品開発をとりまとめていく。なお、大内地区で生産されるブルーベリーは生食用に栽培し、規格外のものはジャムなどに加工して販売する。河村さんは「もっと栽培者と収穫量を増やしていきたい。大内の特産物として認知され、ブルーベリー農園に人が集まってくるような、地域活性の場にしたい」と意気込んでいる。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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