2007年06月16日
山口薪能5年ぶり復活 8月5日野村萬斎氏ら来演

山口の夏の風物詩として定着後、中止されていた「山口薪能」が、8月5日(日)午後6時から天花の野田神社能楽堂で5年ぶりに復活する。
能は人間国宝の粟屋能夫氏、狂言には山口初舞台の野村萬斎氏を迎えるとあり、すでに始まっている電話予約には問い合わせが殺到。S席はすでに完売、A席も残りわずかとなっている。
室町時代風の優れた建築様式を誇る野田神社能楽堂は、厳島神社能舞台などと肩を並べる全国屈指の能楽堂として知られている。「山口薪能」は、91年の移転修復こけら落としで初めて開催。以後、毎年夏に開かれ、山口の夏の風物詩として全国各地からファンが訪れるほど人気を呼んだ。しかし、次第に資金繰りが悪化したことから02年、12回を最後に中止された。
しかし、毎年この時期になると、野田神社には再開を望むファンからの電話がかかっていた。そこで、実行委の中心となっていた真庭宗雄・古熊神社宮司は、2年前に「能舞台の雨戸を開けたい」と喜多流の粟谷能夫氏に相談。運営計画を煮詰め、今年3月に市民有志20人で新たな実行委(中山修身委員長)を発足させ、復活に向け準備を進めてきた。
喜多流は、毛利藩お抱えだったことから山口にもっともゆかりの深い能流派。当日は、粟屋氏の呼びかけで友枝昭世氏をはじめ、そうそうたる演能者が出演。舞囃子「松風」、仕舞「玉之段」、能「殺生石・女体」など幽玄の世界を繰り広げる。また、狂言「鐘の音」を披露するのは、和泉流の野村萬斎氏。山口初舞台となる野村氏は、野村万作氏の長男で「狂言ござる乃座」を主宰。国内外での狂言公演に参加する一方、シェイクスピア劇やギリシャ悲劇などの古典劇や映画「陰陽師」に出演するなど幅広く活動している。
9日に始まった電話予約には、東京や大阪をはじめ、全国各地から問い合わせがあり、S席はすでに完売。現在、A席(8千円)、B席(5千円)、C席(3500円)が残っている。なお、窓口発売はきょう16日、あす17日、23日(土)、24日(日)に野田神社社務所(TEL922-0666)で実施される。受け付け時間は、いずれも午前10時から午後4時まで。真庭宮司は「ちょうちんまつりの前夜、かがり火に浮かぶ能舞台をぜひ見に来てもらいたい」と話している。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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