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2007年07月07日

農作物は全体的に豊作傾向

農作物は全体的に豊作傾向

 7月に入り、全国各地で強い雨が観測されるようになり、ようやく梅雨らしくなってきた。しかし、6月末まで西日本を中心に極端な少雨傾向が続いていたことから、消費者の中には「農作物へ影響が表れるのでは」と心配する人も。昨年は多雨により不作、一転して今年は少雨を記録したため、作柄が気になるところだが、実際のところ県内では農作物全体で豊作傾向が続いている。

 昨年6月は、日照不足による生育不良で出荷が遅れたり、雨で収穫作業が滞ったりして、生鮮野菜の流通量が減り、全国的に市場価格の上昇を招いた。今年は一転して雨が少ない状況が続き、九州や四国ではダムの貯水量が減少。取水制限に踏み切った地域もあったほどだ。山口県でも、6月の総降雨量は各地で軒並み平年を大きく下回り、山口測候所の観測では、平年(308ミリ)のわずか25・2%、77・5ミリにとどまった。7月に入りようやく雨量が増え始めたが、今年は春先に平年を上回る高い気温が続き、5月、6月は極端な少雨を記録。多くの人が気候の異変を口にし、農作物の生育を心配する消費者もあらわれ始めた。
 しかし、山口農林事務所や県農業振興課によれば、いずれの農作物も作柄は良好で、収穫に入った品目は豊作傾向が続いているという。野菜、果物の生育にとって、少雨は確かにマイナス要因となるが、好天が続き十分な日照を得ることは大きなプラス要因となる。ほとんどの地域で農業用水に不安はなく、水を散布するなどして不足分を補うことができたことから、農作物の生育にとって最良の条件となった。
 特に市内を含め県内全域において、トマト、キュウリ、カボチャ、ナス、スイカなど、露地物野菜は、しっかりと日光を浴びて丈夫に育ち、いずれの品種も豊作だ。水稲については、わずかな地域で水不足により用水が得られず、今年の栽培を取りやめた生産者もいたが、全体的に生育は順調で、例年よりも成長は早い。夏にかけて高温、好天が続き、再び水不足の心配がなくなれば、豊作が見込まれる。
 市内有数の農業地域・名田島では、例年よりも大玉のタマネギが収穫されているほか、昨年、大雨によって発芽不良という事態に見舞われた大豆も、今のところ順調に生育している。また、5月、6月に収穫期を迎えた麦は、ちょうど水を必要としない時期と重なった。少雨・好天により病気の発生もほとんどなく、収穫も最良の時期に行われたとあって品質も優良だ。例年、10アールあたり平均360キロの収穫を目標に生産されているが、今年の収穫量は平均420キロに達した。
 仁保などで、6月から早生の収穫が始まっている。モモや、8月から収穫が始まるブドウは、豊作の上少雨の影響で実は小ぶりだが、十分な日照により、例年よりも高い糖度が見込まれている。また、大内で6月から本格的な出荷が始まったブルーベリーも、糖度の高い実が収穫されている。
 県農業振興課では「ここまでいずれの品種も豊作傾向にある。今後は集中豪雨や台風による被害が心配され楽観はできないが、順調ならこれから収穫が始まる野菜、果物についても豊作が見込まれる」と話している。


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Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)ニュース
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