2007年07月07日
シーズン到来「天神はも」ブランド化へ 3年目の取り組み
夏の高級食材「ハモ」。全国屈指の水揚げ量を誇る市では、約2年前から、これまで関西圏などに送り出すだけだったハモを地域内で消費するとともに、ブランド化して全国へ売り出そうという取り組みが進められている。このプロジェクトはメディアにも数多く取り上げられ、来年はJRの超大型観光事業・デスティネーションキャンペーンで全国発信することも決定。県内外へのPRが予想以上に順調に進んできたと喜ぶ「はも塾」(市内19店舗の飲食店で組織)の葛原豊和塾長(60)は、「全国向けの宣伝が先行しているので、この夏からは地元への普及に力を入れていきたい」と話している。
ハモと言えば京都を連想する人が多いが、実はその大半は瀬戸内から供給されている。山口県の年間ハモ水揚げ量(03年~05年)は413~490トンで全国2位。その内の86~118トンを占めるのが防府市で、県内の自治体別でも毎年トップ級の水揚げ量を誇っている。
しかし、ハモは骨が多く調理が難しいため、これまで地元ではなかなか消費されずにいた。そこで2年前、さしみ亭・和加栄を営む葛原さんらが中心となって「地元で捕れる新鮮なハモを名物料理として売り出していこう」と発起。市観光協会や防府商工会議所などと連携し、鮮度はもちろん、京都などと比べ半額から3分の2といった低価格設定で差別化を図り、防府産ハモのブランド化に乗り出した。
05年4月、市内の料理人らで、技術向上や情報交換を目的に「はも塾」を結成。これまで先進地・京都や大分県中津市への研修旅行をはじめ、調理技術研修会などを開いてきた。「ライバル同士の料理人がお互いの手の内を見せ、技術向上のために一丸となったのは初めて」と葛原さんは嬉しそうに話す。
ブランド名は、防府天満宮にあやかって「天神はも」に決定。はも塾に加盟する19店舗には共通ののぼりを立て、加盟店の場所やメニューを紹介したグルメマップも作製した。現在、加盟店ではどこでも食べられる統一メニューを、ハモ刺し、ハモしゃぶ、ハモ寿司に設定しているが、このほかにも店ごとに趣向を凝らした料理を提供。ハモそうめんなど試作段階のものもあり、今後商品化を目指していくという。さらに、来年のJRデスティネーションキャンペーンに向け、料理以外にもハモにちなんだ菓子やオリジナル酒、ポン酢や梅肉といったタレの開発も進められている。
地産地消の発想から始まった取り組みも今年で3年目。徐々に市民にも浸透してきたが、実際に加盟店に足を運び、ハモを食べにくる人はまだ少ない。葛原さんは「今後は学校給食に提供したり、イベントで試食会を開いたりして、地元の人に食べてもらえるよう努力していきたい」と言う。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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