サンデー山口

　緑町の山水園（TEL９２２－０５６０）がこのほど、湯田温泉で初めて保健所から飲泉許可を取得。敷地内にある「翠山の湯」に飲泉所を設置し、無料開放を始めた。中野愛子社長（66）は「湯田温泉が入浴はもちろん、飲んでも安心な湯ということが証明されて本当にうれしい。これを機に、湯田温泉の良さをもっと多くの人に知ってもらいたい」と話している。

　山陽路随一の湧出量と泉源温度（72度）を誇る名湯・湯田温泉。少なくとも８００年以上の歴史を持つといわれる“白狐の湯”は、肌に優しいアルカリ泉質で、神経痛、筋肉痛、関節痛などに効能がある。しかしながら近年は、旅行形態の変化などで宿泊客は減少傾向にある。
　「温泉と健康」について考えていた中野社長は今年１月、湯田の活性化の一翼になればと、保健所に飲泉許可がおりないか相談を持ちかけた。最初は“硫黄泉だから無理だろう”という答えが返ってきたが、どうしても納得いかず、女性の認定温泉医全国第１号でもあるゆきこクリニック（泉都町）の那須野友規子院長に相談しながら、成分調査や許可取得のための飲泉に関する勉強に没頭。温泉の分析に必要ということで４月には飲泉設備を作り、５月中旬に分析申請書を提出。　そして今月５日、湯田温泉で初めて念願の飲泉使用許可を取得した。
　泉質名はアルカリ性単純温泉。飲用において、泉質別禁忌症および適応症はなく、飲用量や方法などの注意点も決まっている。
　中野社長は「温泉は天の恵み。地元の宝を有効に使って、町の活性化につなげたい。また今後、湯田の旅館に飲泉所がたくさんできれば」と期待している。