サンデー山口

　朝鮮通信使来日４００年および新山口市誕生を記念して、山口市と姉妹都市縁組を結ぶ韓国・公州市で開催される「百済文化祭」に、山口市から市民訪問団の派遣を決定。民間団体の代表者らで組織する百済文化祭参加実行委員会（入交知則委員長）は、同文化祭に参加する市民の募集を開始した。現地では市内観光、文化祭で地元の人たちによるパレードに参加のほか、公州市民団体との交流会も行う予定だ。

　公州市はかつて百済王国の首都として栄え、文化財や史跡が数多く残る古都として有名。市内に大学が３校あり、人口約14万人のうちの３割ほどが学生という学園都市でもある。山口市と公州市は似た点が多く、また、大内氏の始祖が百済第26代聖明王の第３子・琳聖太子であるとの言い伝えが縁となり、93年に姉妹都市縁組を締結した。以来、活発な相互交流が行われている。
　今年は朝鮮通信使来日４００年の節目の年であり、山口商工会議所や山口青年会議所、大内文化のまちづくり協議会、山口市日韓親善協会などは今年の10月に公州市で共同開催される韓国３大祭りの一つ「百済文化祭」への参加を計画。これら民間団体の代表者らは百済文化祭参加実行委員会（入交知則委員長）を発足させ、10月12日から14日までの２泊３日で訪問することを決定した。
　これまでに山口市から「百済文化祭」へは公式に３度参加し、03年には姉妹都市締結10周年を記念して、公募で集まった市民約１５０人の訪問団が参加した。
　これまで同文化祭はは、かつての首都公州市と扶余市とで毎年交互に開催されていたが、今年からは毎回両市の共同開催となる。メーン事業は、５千人以上が参加する歴史上の人物に扮した仮装パレード。03年の参加時には「大内のお殿様」や「よさこい」を披露し、パレードを一段と盛り上げた。
　ただし、今回はこれまでの訪問と異なり、単に文化祭に参加して友好を深めるというだけで終わらず、より公州市民の日常生活に踏み込むスケジュールとなっている。市民団体との交流や工場見学などが検討されている。入交委員長は「経済や文化、教育、観光など、各分野において、市民レベルで交流ができるようにしていきたい。今回の訪問がその第一歩になれば」と話している。