2007年09月15日
宇佐八幡宮秋祭りで披露 「僕らの自慢! 腰輪踊り」 室町時代からの伝統脈々

「ドンドン、カン、ドンドン、カン」――。鈴屋公会堂に太鼓と鐘の音が鳴り響く。真剣な表情の子どもたち。彼らは8月中旬から週に3日、今月23日(日)に地元宇佐八幡宮秋祭りで奉納する、市指定無形民俗文化財「腰輪踊り」の練習に励んでいる。
腰輪踊りは、この地区に明応2(1493)年から伝わる民俗芸能。社伝によると、大内義興が室町幕府10代将軍足利義稙を奉じて上洛する際、義稙が自らの戦勝を祈願して奉納したのが始まりとされている。
踊りは戦時中に一時途絶えたが、1975年ごろに復活。92年には、地元有志が伝統を継承していこうと「腰輪踊り保存会」を結成した。以降、メンバーは毎年祭りの約1カ月前から、鈴屋、奈美の両地区の子どもたちに交代で踊りを教えている。
腰輪踊りは県内各地で踊られているが、鈴屋のは胴取り2人、棒使い2人、鉦鼓たたき8人の計12人の男児で構成。腰輪に白の切り下げ紙のほかに、色とりどりのしごき帯と呼ばれる飾り帯をつけるのが特徴だ。神前で胴取りと棒使いが向かい合い、鉦鼓たたきがそれを囲んで円陣を作り、12通りの踊りを2回繰り返して奉納する。
鈴屋地区が担当の今年は希望者が多かったことから、くじ引きで12人の男児が選ばれた。彼らは、保存会の山崎均さん(50)と宮内俊次さん(51)の指導の下、8月中旬から週に3日、公会堂に集まって本番さながらの練習を行っている。太鼓のリーダーを務める小野小6年の手代木将大くん(12)は「毎年高学年のお兄さんたちが踊る腰輪踊りにあこがれていた。まわるところが難しいけど、本番までにしっかり覚えて頑張りたい」、種田雅人くん(11)は「宇佐八幡宮の前で踊れるのが楽しみ。たくさんの人に見に来てもらいたい」と意気込んでいる。
保存会の山崎洋祐会長(76)は「ここ数年、どの家からも踊りに出たいという声があがっていてとてもうれしい。500年続いた踊りをこれからも後世に伝えていければ」と話している。
踊りを奉納する小野小学校児童は次の通り。
(敬称略)
【6年生】手代木将大▽田辺健▽田中誉▽種田雅人▽中村直樹▽石山聖
【5年生】鹿田悠大▽吉松勇斗▽打道顕久▽今池大▽山崎健一郎▽山崎偉武暉
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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