2008年02月24日
発信! 木小屋のおっちゃん流子育て法

南太平洋の島暮らし30年・池田さん 仁保を拠点に活動開始
フィジーやパプアニューギニアなど南太平洋の島々で約30年間過ごしてきた池田誠さん(61)が、地元山口に帰郷したのは2年前。指や簡単なしぐさを使って行う独自の子育て(人育て)法「南太平洋 ロロマ15の誓い」を、“笑う木小屋”と名付けた仁保の自宅から発信していこうと意気込んでいる。
高校卒業後に上京。21歳の時、知人に誘われてフィジーへ渡った池田さんは、島の美しさに感動し「ここなら日本人が必ず来る」と確信。現地の旅行会社に入り、日本での認知度が低かったフィジー旅行をマスメディアなどと協力してメジャーにし、日本からのチャーター便、定期便就航も実現させた。この時、現地の新聞で「フィジーの旅行業界最初の日本人が、日本人の観光客誘致に貢献」と、大きく取り上げられたという。
フィジー国籍も取得し、88年からはパプアニューギニアの国内唯一の鉄板焼き日本食レストランでマネジャーとして勤務。その後もさまざまな仕事に就きながら、南太平洋の島々と日本の架け橋として活躍した。
99年に帰国し、東京の大手通信社で働き始めた彼は、日本の子どもたちの変化に大きなショックを受けた。
「まず、固い物を食べなくなり、あごが昔と比べてかなりシャープになったこと、それに子どもが子どもらしくない」
南太平洋の人々の生活は、物質文明の尺度でみれば日本とは比較にならないが、子どもたちの目は生き生きと輝いている。そこで、簡単に実践できる子育て(人育て)法「ロロマ(=フィジー語で愛、敬愛の意)式」を考案し「ロロマ15の誓い」としてまとめ上げた。よりよく生きるための生活習慣や自分自身の生き方、人とのコミュニケーションのありかたを、覚えやすく両手を使って記憶し、表現しようというものだ。例えば、右手の指には、よくかんで食べ、汗を流し、凛とした姿勢で、自然とともに、快活に生きることの大切さを、左手の指には、美しい言葉で話し、人を許し、夢を追い続け、人を愛し、小さな成功体験を積み上げていくことの大切さ、という意味をもたせている。
池田さんはこの子育て法を広めるため、嘉村礒多の生家横にある実家に帰郷。島で毎日のように固いドイツパンを食べていた経験から、「まずは自然の中で思いっきり遊びながら、実際に釜で焼いた固いパンを食べてもらおう」と考え、約2年間かけて、石窯やツリーハウスなどを作り、活動拠点となる場所「笑う木小屋」を完成させた。
「引きこもりや不登校の子どもたちに、パソコン技術や英語なども教えていきたい。子育て、パン作り、自然遊びなどに興味のある人は、ぜひ気軽に来てほしい」と池田さん。人生の半分を南太平洋の島々で過ごした彼は今、仁保の田舎で新しい人生のスタートを切った。問い合わせは、池田さん(TEL090-4091-4477)へ。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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