2008年07月27日
みんなで守る小児救急のルール
糸米の市休日・夜間急病診療所に小児科が開設してから1年7カ月が経過。15歳未満の小児利用患者数は06年度が2301人、07年度は4875人と、診察日数の違いなどで単純比較はできないものの、2倍以上の増加となっており、また、全体の利用者数も約1・6倍と、市民に夜間1次診療のルールが周知されてきている。「みんなで小児救急医療体制を守ろうという良い流れができている」と市医師会は次のように話す。
山口市医師会から再度お願いです
全国的な社会問題として小児科医師不足、医療体制の崩壊などが叫ばれるなか、山口市でも昨年より済生会山口総合病院で小児科医の常勤を廃止、山口赤十字病院では小児科常勤医の人数減少と、市内総合病院の小児診療体制も大きく変化しました。また、小郡第一総合病院も含め、時間外の診察は原則、医師からの紹介状を持った人と救急車で運ばれてきた患者のみで、一次診療は受け付けていません。
対策として現在、休日・夜間急病診療所で木、金、土、日曜に小児科を開設(午後7時~10時)。山口市医師会と吉南医師会の小児専門医が診察を行っています。また、月、火、水曜も、小児診療の特別講習を受けた内科医師が診察するなどして体制を整えています。また市医師会では「時間外には直接総合病院へ行かず、まずは急病診療所へ行く」という“小児医療の流れ”を提言しています。このルールは急病診療所の利用患者数増加が示す通り、次第に市民に周知されてきています。また一方で、総合病院も「時間外の患者数が確実に減ったと実感できる」と話しており、みんなの協力で山口市の小児医療体制が守られています。
しかし残念なことに、午後10時を過ぎた深夜帯にはいまだに直接総合病院に駆けつける市民がかなりいます。さらに今後、小児医療費助成の対象年齢引き上げに伴い、患者数の増加も予想されています。「これからも医師にとって過酷な状況が続き、本当に緊急時の2次診療ができないと判断されれば、山口市の総合病院から小児科が完全撤退という可能性も十分に考えられます。そうなれば、市内での二次医療や入院治療はできなくなり、市民にとって本当に困ることになります」と市医師会は懸念しています。
「今一度、かかりつけ医に早期受診することを心がけ、夜間に診察を要する場合はまず急病診療所に行くというルールを徹底していきましょう。みんなの協力があってこそ、市内の医療体制は守られます」
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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