2008年08月03日
県大3年の小川美農里さん 世界28カ国を放浪

「とにかくいろんな事を知りたいんです」―。好奇心いっぱいに話すのは、県立大学看護学部3年の小川美農里さん(23)。小川さんは昨年大学を休学し、約10カ月かけて1人で世界中を放浪。帰国後は、報告会や交流会を開くなど、自身の経験を多くの人に伝えようと活動している。「たくさんの感動と、印象に残る出会いを経験した」と笑顔で旅を振り返る。
父親はアジアで農業指導、兄は青年海外協力隊員としてパラグアイで活動した経験を持つという環境で育った小川さんは、大学に入学した時から海外で活発に活動。医療や福祉、政治、環境に関心を持ち、インドネシア、中国、カナダなどで農業や医療研修などを行ってきた。
そして昨年、「もっと現地の事を知り、学校で学んだ知識と現場とをリンクさせたい」と思い立ち、世界一周を決意。アルバイトをしてお金をため、5月から今年3月までの約10カ月間、南米、中米、北米、東アフリカ、ヨーロッパ、アジアの28カ国を巡る放浪生活を始めた。
途中、バス会社のミスでカバンが無くなったり、カメラを盗まれたりというアクシデントもあったが、「命が奪われなかっただけ良かった」と前向きに考え旅をエンジョイ。訪れた先々でヒッチハイクやホームステイ、世界遺産の見学、医療ボランティアなどをしながら充実した日々を過ごした。
「多くの人と接し、お互いの夢や宗教、政治について語り合う中で、たくさんの感動や気づきがあった」と語る小川さん。訪れた国で物ごいをする人や仲良くなった人にお金をあげるか迷っていた時に、同じ宿に泊まった旅人から言われた印象に残る言葉がある。「あなたのしたいことをして、あなたのありたいようにありなさい」。それまでの自分の行動が正しかったのか自問自答していたが、この言葉で少し楽になったという。
そして旅の最後に訪れたインドのブッダガヤで日本に似た田園風景を見た時、これまでの疲れや旅の中で考えてきたことがスッと抜け、「無理しても仕方がない。自然の流れが大切」という自分なりの答えにたどり着いた。
小川さんは「以前はみんなが平等になれるようにと一生懸命頑張っていたが、今後は無理をするのではなく、自然にいい仕組みになっていくような方法で、身近にできる国際貢献をしていきたい。“あきらめないけど頑張らない”」と笑顔をを見せる。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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