2008年11月15日
県立大がカタールで文化交流

山口県立大学国際文化学研究科の水谷由美子教授や学生ら9人が、10月中旬に中東・カタールの米バージニア・コモンウェルス大カタール分校(VCU)を訪問した。同校では在留邦人らの協力の下、約400人の前で着物ファッションショーを開催。また、大使公邸では32カ国の大使・大使夫人を招いた着物の着付けデモンストレーションを披露し、現地の新聞に大きく取り上げられるなど、日本の伝統文化普及と対日理解の促進に大きく貢献した。そのきっかけは、同大大学院の同研究科に籍を置く湊和久さんの義理の兄、在カタール日本国大使の北爪由紀夫さんと裕子夫人が、同大の江里健輔学長を6月に表敬訪問したこと。その後、VCUとの交流話がまとまり、招待されることとなった。幹事役で現地にも同行した湊さんに、カタールの現地事情を聞いてみた。
-カタールはとても小さな国だが、豊富な原油と天然ガスの恩恵で急成長。われわれの訪れた首都・ドーハには近代的なビルが立ち並び、さらに数多くの高層ビルやホテルの建築計画もあり、とてもエネルギッシュな街との印象を受けた。治安面でも極めて安定しており、中東イコール危険地帯というイメージは全くない。
大学では「日本が大好き」という学生の多さに驚いた。日本のアニメやドラマ、歌なども人気で、日本語を話せる学生も大勢いた。一人当たりのGDPが世界一という裕福な国ゆえに、家事は使用人任せという家庭も多く、勤勉で能力ある若者をいかに育てるかというのが同政府の重要課題。「日本教育の良いところを学びたい」とのニーズもある様だ。
夏の気温は50度を超え、湿度90%となる日もあり、街中に歩行者はあまりいない。マイカーの高級オフロード車が足代わりで、電車は走っておらず、乗り合いバスやタクシーの台数も少ない。また、国外からの出稼ぎ労働者は、会社の用意するピックアップバスが移動手段となっている。
女性がアバヤやシェイラで体や髪を隠している姿は有名だが、カタールでの女性の地位向上は顕著。サウジアラビアとは違い、一人での夜の外出や車の運転もOKだ。今回訪問したVCUの学長も女性であり、カタール大学においては学生の75%が女性だと聞いた-。
湊さんは現在、相原研究室で安全教育を軸とした安全で快適な街づくりについて研究しており、今回のカタール訪問では、総務省関係者と意見も交換した。そのような経緯を踏まえて「この交流を一つの契機とし、成長著しいカタールと山口とのきずなを、今後一段と深めていきたい」と話している。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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