サンデー山口

　「夏に活動したノコギリクワガタは越冬せずに秋には死亡する」―。そんな昆虫界での常識を覆し、吉敷の角田正明さん（４５）宅で飼われているノコギリクワガタ（オス）は、冬を生き抜き、現在まで生き続けている。
　このクワガタは昨年６月に同宅で採集されたもの。やまぐち昆虫楽会の会長を務める角田さんは、昨年夏には２０匹のノコギリクワガタを飼っていたが、越冬したのはこの一匹だけだった。
　角田さんは「暖冬だったことが影響しているのでは。地球温暖化がこのまま進んでいけば、１０年後には冬を越す昆虫になっているかもしれない」と興味深げ。「昆虫専門誌『月刊むし』によると、このような例は全国で３例しか報告されておらず、今年の７月まで生き延びればオスの日本記録３７５日を更新する。ぜひ、新記録を目指したい」と意気込んでいる。