サンデー山口

「地元の龍福寺はなんとしても自らが手がけたかった」。全国で約100人しかいない県内唯一の檜皮師。現在、復元改修が行われている龍福寺本堂（国指定重要文化財）の、屋根の葺き替えを行っている。
　これまで、市内の瑠璃光寺五重塔をはじめ、厳島神社や太宰府天満宮など、全国各地の文化財を手がけてきた。「山口は歴史、文化の保護にとても熱心だと思う。たくさんの歴史的建造物があることに、もっと自信と誇りを持って」と話す。
　近年では、材料となる檜皮の不足も深刻な問題。良質なものは特に入手が難しく、佐々木さんはさまざまな情報や人脈を駆使して、いい檜皮を手に入れるよう努力しているという。
　「夢はたくさんの人に文化財に興味を持ってもらうこと。市内すべての歴史的建造物の葺き替えに携わりたいですね」

70（昭和45）年、大殿生まれの40歳。野田学園高校卒業後、20歳で選定保存技術「檜皮葺・柿葺」保持者の大西安夫さんに師事する。99年には、米国・フィラデルフィア市に屋根を葺きに行ったことも。