2011年01月03日
開店から2年 山口井筒屋・有田実社長に聞く

「〝四つのきずな〟を深めたい」
08年10月に老舗のちまきや百貨店を引き継いだ山口井筒屋がオープンしてから約2年が経過。街のにぎわいを創出する核店舗として、市民からの期待は依然として大きい。これまで、そしてこれからについて、有田実社長に聞いた。(聞き手/サンデー山口社長 開作真人)
―まず最初に、開店から2年間の歩みを振り返っていただけますか。
有田 オープンした10月の売り上げは、ちまきや時代の140%という好調な滑り出しでした。その直後にリーマン・ショックが襲い、以降は厳しい数字。しかしながら、昨年に入ってからはようやく上昇トレンドに。第1四半期(3~5月)は前年比92%、第2四半期(6~8月)は96%、そして第3四半期(9~11月)は98%と上向きで、特に10月、11月は前年を上回ることができました。開店当初は市民ニーズを的確に把握できなかったのだと反省し、その後は見えてきた方向性を愚直に追求。「デパ地下」を維持しながらも“皆様の台所”になろうという「土日祭」の開催、本店にはない現金専用「きららカード」の発行などの取り組みが、ようやく結果にも反映されてきたのでしょうか。
―最近の社内の空気はいかがですか?
有田 社員には「四つのきずな」を深めていこうと呼びかけています。まず「お客様」、次にわれわれの立地する「商店街」、お世話になっている「取引先」、そして「社員同士」のきずなです。現幹部は九州ではなく全員が山口出身で、近いうちには外商の人材も地元から積極採用したい。最近では、朝のミーティングで幹部に投げかけた案件が、その日の内に何らかの回答が返ってくるように、またサービスカウンターやインフォメーション等店内各所でのお客様の声も、社長に直接届くようにと、良い方向に変わってきました。
―今春、隣接地に「やまぐちマーケットプラザ」がオープン予定です。
有田 生鮮品の「買い物場所」が増えることでの相乗効果に期待しています。競合する品目はもちろんありますが、来街者というパイ全体を大きくしなければ、商店街全体が衰退の一途をたどってしまう。中心商店街の皆様とも連携を取りつつ、にぎわいづくりに取り組んでいきます。
―平日の夕方、その日の晩ご飯の材料を買いに主婦が集まってくる商店街。昔よくあった光景を、また目にするようになりたいです。最後に、今年の抱負を一言。
有田 景況の先行きが不透明な中、一つひとつの案件を丁寧に深掘りしていきたい。今年はさらなる成長に向け、正念場を迎えているとの自覚を持って、この地でチャレンジを続けていく所存です。
「感度の高い」「値ごろ感のある」をダブルで展開
―リニューアル等、今後の予定をお聞かせ願えますか。
有田 より幅広いお客様に来ていただけるよう、品ぞろえも「感度の高い」ものと「値ごろ感のある」ものとをダブルで展開していきます。後者の第1弾として、昨年10月に雑貨店「ZAKANAKA」を2階にオープン。それ以降のショップ誘致等についても、近々発表できると思います。
―催事については?
有田 物産展など皆様に望まれる催しは、収支バランスも見ながら、できるだけ多く開催していきたい。また、5階催場は貸しホールとしても提供しているので、展示会や発表会等、地元の方々にどしどしご活用いただければ。現在、10日までは「みんなのネコ展」を開催中です。世界のネコ40種類が大集合。「ふれあい広場」「ネコちゃんグッズコーナー」「パネルコーナー」「よいこのぬりえコーナー」「販売コーナー」などの催しを用意しているので、ぜひご来場ください。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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