サンデー山口

県偕行会と隊友会が整備活動

　旧陸軍山口歩兵第42連隊の戦没者３３５人の眠る墓所が宮野下にある。国道９号沿いの寺内正毅の墓からさらに１００メートルほど山道を登った場所で、近隣の人や関係者以外でその存在を知る人は少ないという。旧陸軍士官学校などの出身者でつくる「県偕行会」会長の坂本強さん（８２、医師）は、整備活動を続けながら「歴史を物語る場所の存在をもっと市民に知ってもらいたい」と呼びかける。
　坂本さん自身、墓所の正確な位置は一昨年まで知らなかった。偕行会の全国会報誌で荒廃を懸念する記事を読んで、すぐに現地を訪れ状況を確認。調査を進める中で隊友会山口支部の有志による年２回の清掃が行われていることを知る。清掃がなければ山林の中に埋もれてしまうような状態で、常時きれいな状態が保てるようにと、昨年から隊友会の整備活動に加わった。
　また、４０年以上慰霊行事が催された記録もはっきりしないことから、県、市、関係団体などへ働きかけ、昨年１１月には慰霊祭を開いた。
　「日清、日露戦争での戦没者が埋葬されていると聞く。多くの人に協力を頂き、ようやく慰霊祭まで行えた。整備活動と慰霊行事は今後も続けていきたい」