サンデー山口

　川西第二地区で進むほ場整備に伴い、「イシガイ」などの希少生物を避難させようと４日、地元住民らが矢石川と周辺の用水路で引っ越し作業を実施。地域自然の保護を目的に、市川西土地改良区などが主催し、約４０人が参加した。
　矢石川には、県が絶滅危惧２類に指定する「イシガイ」や「ニセマツカサガイ」が生息している。イシガイ科の両種は、日本固有の長さ約５センチの二枚貝。全国各地に分布しているが、河川の改修工事や水質の悪化、幼生の宿主となるタナゴなどの魚の減少等により、数が少なくなっている。県内での確実な生息地は深溝を含むわずか５カ所程度だという。
　当日の作業では、網やスコップでドジョウ５匹やニセマツカサガイ約２５０個などを採取。環境省が準絶滅危惧種に指定しているタナゴの仲間、アブラボテ約５０匹のほか、マシジミ約１００個、ヌマガエル２匹なども保護し、およそ１キロ上流に整備されているビオトープに放流した。