2012年01月01日
新春あいさつ 住み良さ日本一の元気県をめざして 「辰」のように飛翔を 山口県知事 二井関成


▲画・古川綾子
新年を迎えて
明けましておめでとうございます。
昨年は東日本大震災という未曽有の災害に遭遇する試練の年となりました。この復興支援として開催した「おいでませ! 山口国体・山口大会」では、チームやまぐちの活躍と山口県民の皆様の熱烈な応援で、山口国体では総合優勝、山口大会では過去最多のメダルを獲得できました。何よりも皆様の温かい「おもてなしの心」により、来県された方々にも、心に残る素晴らしい大会となり、被災地復興に向けて力強いエールを送ることもできました。両大会で発揮された皆様のパワーを結集し、将来に明るい展望が開ける元気な年にしていきたいと思っております。
住み良さ日本一の元気県づくり
山口県民誰もが住み良さを実感でき、そして活力あふれる「住み良さ日本一の元気県」を県政の目標に掲げ、09(平21)年3月に、山口県づくりの道筋を示す「加速化プラン」と、土台となる「新・県政集中改革プラン」を策定し、諸施策を進めてきました。いよいよ最終年度となる2012(平平成24)年度を控え、今まさにラストスパートの最中にあり、その達成を目指して全力で取り組んでいるところであります。最重要課題である「くらしの安心・安全基盤の強化」については、災害時の防災拠点となる学校等県有施設の耐震化率では、目標の90%を確実に達成するとともに、東日本大震災を教訓に県地域防災計画の見直しを行い、防災対策の一層の強化を図ることとしております。また、未来を担う子どもたちの育成については、昨年4月には全国に先駆けすべての小・中学校で35人学級化を実現するなど、個性と可能性を育んでまいります。
さらには、山口県民の長年の悲願である岩国基地民間空港が「岩国錦帯橋空港」として、12年度中の1日でも早く再開できるよう、準備を進めております。再開後は、山口県東部地域の活性化はもとより、山口宇部空港との連携による誘客を図るとともに、「ちょるる」を観光宣伝部長として、この3月から始まる「おいでませ! 山口イヤー 観光交流キャンペーン」を通じ、「年間観光客3千万人構想」の実現にも取り組んでまいります。また、厳しい雇用情勢にある若者の山口県内就職等を促進するため、成長分野での戦略的な企業誘致など「新規雇用2万人創出構想」の取り組みも強化していきます。
一方、将来にわたり持続可能な行財政基盤を構築するため、山口県職員の定数削減などの行財政改革を積極的に進めており、特に、土地開発・住宅供給・道路の三つの公社については、将来の世代に過大な負担を残すことがないよう、保有する資産の積極的な売却等を通じ、この3月末までには確実に廃止を実現してまいります。
2010(平成22)年の国勢調査では、本県は少子高齢化の進行により、自然減少が社会減少を初めて上回り、本格的な人口減少社会を迎えました。また、景気の長期低迷の中、山口県内経済は先行き不透明な状況にあり、国政では地方にも大きな影響が生じるTPP参加問題や社会保障と税の一体改革などの重要課題も山積しております。こうした中にあっても、本県自らが途を切り拓き、将来にわたってその存在感を発揮し続けられるよう、加速化プランでの多くの目標達成をめざし、より高い水準の実現に取り組むことにより、これからの県づくりの礎を築いてまいりたいと考えています。
山口県づくりの推進力となる「県民力」と「地域力」
山口県づくりの原動力は、山口県民の皆様の知恵と力を結集した「県民力」であり、地域の存在感を発揮する「地域力」であると考えています。これまで2001(平成13)年の「山口きらら博」、2006(平成18)年の「国民文化祭やまぐち」の成功を通じて、確実に高まってきた県民力と地域力は、山口国体・山口大会の成功により、さらに大きくジャンプしたという手応えを感じております。本年5月に開催される「第63回全国植樹祭」、2013(平成25)年の「日本スカウトジャンボリー」、2015(平成27)年の「世界スカウトジャンボリー」「全国健康福祉祭」の成功に向け、そして、これからの山口県づくりの力強い推進力として、必ずや大きな力を発揮するものと信じています。
また、両大会の開催を契機に、山口県民の皆様のスポーツへの関心の高まりを受け、本年度中には、「スポーツ推進条例」の制定や「スポーツ戦略プラン」の策定を行い、競技力の向上はもとより、山口県民誰もが「いつでも、どこでも、いつまでも」スポーツに親しむことができる生涯スポーツ社会の実現に努めていきたいと考えています。
今年の決意
本年の干支は「壬辰」、動物で言えば「龍」ですが、十二支の中では唯一、空想の動物であり、天空に駆け上り自在に飛翔すると言われております。わたしの4期目の任期も残り8カ月足らずとなりましたが、まさに昇龍の如く、県勢の更なる飛躍ができるよう、市町や山口県民の皆様と協働しながら、全力で県政運営に取り組んでいく決意であります。どうか、皆様方の一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
Posted by サンデー山口 at 00:00│Comments(0)
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