サンデー山口

　「回送中　申し訳ございません」―。こんなユニークな表示を掲げたバスを最近、街中で見掛けたことはないだろうか？
　市内に路線網を張り巡らせる防長交通の路線バスが４月から、回送中のバスの一部で、行き先表示に乗客が待つバス停を通過することをわびる一言を添えて、市内を“快走”している。同じような取り組みは青森県や岡山県などのバス会社で既に行われているが、県内では初めてという。
　同社によると、３月までは「回送」という表示だったが「停留所でバスを待っているお客さまがいるのに、回送だからといってそのまま通り過ぎると、印象が良くないのではないか」という声が社内で上がっていた。そこで、改善案を考えていたところ、他地域での先行例を社員が見つけ、取り入れられた。
　英語の表記にも「ＳＯＲＲＹ」の単語が加えられ、観光などで訪れる外国人への配慮も忘れていない。
　保有する２２１台の路線バスのうち、ＬＥＤ（発光ダイオード）の行き先表示器を備えたノンステップパス８３台で見られ、山口営業所（TEL０８３－９２２－２５５５）のエリアは１４台が在籍している。
　同社は「バスの到着をお待ちいただいているお客さまに対し、せめてものおわびの気持ちを込めた。おおむね好評」と話している。